改正動物愛護管理法:県「飼う前に考えて」
新たに終生飼養の責任 /福井
2013年09月10日 毎日新聞地方版
ペットの犬や猫の引き取りを行政機関が拒否できる改正動物愛護管理法が、今月1日に施行された。
福井県では、引き取った犬や猫の数や、殺処分数は減少傾向にあるが、県は「改正法は(動物を生涯飼い続ける)終生飼養の責任も定めた。
最後まで愛することができないなら、飼わないことも選択肢。
飼う前に時間をかけて考えてほしい」と呼びかけている。
【佐藤慶】
従来は、都道府県や政令指定都市などがペット業者や飼い主から犬、猫の引き取りを求められた場合、必ず引き取らなければならなかった。
法改正で新たに終生飼養の責務が定められ、行政機関が引き取りを拒否できるようになった。
拒否できるのは、ペット業者や過去に繰り返し持ち込んだ経験のある人からの引き取り要請や、犬、猫の病気や高齢化を理由とした要請。飼育が困難と認められない場合も拒否できるため、引っ越しを理由とした持ち込みも原則としてできなくなった。
遺棄した場合の罰金の上限も50万円から100万円に引き上げられた。
県医薬食品・衛生課によると、県内で昨年度、保護されたのは犬317匹、猫1023匹の計1340匹。
うち犬86匹、猫774匹が殺処分された。
飼い主の持ち込みは犬47匹、猫177匹あり、県内の保健所に「病気になってしまって面倒をみるのが嫌になった」「衝動買いしてしまったが、家族の反対で飼えなくなった」など身勝手な理由で引き取りを求めるケースが後を絶たないという。
県はペットショップの立ち入り調査時などに改正法の啓発をしている。