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関西盲導犬協会に訓練棟 人との生活に近い環境(京都)

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関西盲導犬協会に訓練棟 人との生活に近い環境(京都)

2016年5月12日 朝日新聞

盲導犬を育成している関西盲導犬協会(亀岡市)に、犬の居住スペースと訓練場所を一体化した訓練棟が完成した。
実際に人と暮らす状況に近い環境で飼育することで訓練の質を高め、これまでより家庭に送り出せる盲導犬が増えることが期待されている。


人との暮らしに近い環境を作った訓練棟。犬が自由に動き回れる広いスペースが特徴だ=亀岡市曽我部町犬飼

新しい訓練棟は木造平屋建て(一部2階建て)で、広さは旧犬舎の約2倍の延べ約550平方メートル。
柱や床などに杉やヒノキなどの木材を使い、「木香(もっか)テラス」と名付けられた。
旧犬舎は1988年から使われ、老朽化していた。
庭の整備や本館の一部改修も含め1億5千万円かかった建設費などは、全額寄付でまかなわれたという。
旧犬舎では一頭ずつ囲いの中で飼育し、主に施設の外で訓練してきた。
リビングのような環境での訓練はほとんどなく、訓練士が自宅に犬を連れて帰り、様子を見るなどしていた。
新しい訓練棟は、訓練士の作業机やキッチンを同じスペース内に設けるなどし、実際の人との暮らしにより近い環境を整えた。
協会によると、犬が広いスペースで自由に過ごせる訓練施設は、世界的にも珍しいという。
また、訓練棟の2階部分には、3年前の台風18号による豪雨で施設が浸水しそうになった経験を踏まえ、犬の避難スペースを設けた。
今後半年ほどかけて訓練棟に犬を慣らしていき、今は設置してある囲いを徐々に減らしていくという。
協会では現在約20頭の盲導犬候補が訓練を受けており、毎年15頭弱が全国の視覚障害を持つ人の家庭に送り出される。
性格や訓練の習熟度などから適性が判断されるが、訓練犬の約3~4割しか盲導犬になれないのが現状だ。
同協会の岡本祐己訓練士(35)は「訓練棟では犬もリラックスしており、訓練の質も高まるだろう。成功率を上げ、より多くの盲導犬を送り出したい」と話す。
協会は月1回、訓練の実演や盲導犬ユーザーによる講演などがある見学会を開いている。
次回は15日午後1~3時で先着50人。
JR亀岡駅から無料送迎バスもある(要予約)。
申し込み、問い合わせは同協会(0771・24・0323)へ。
(森泉萌香)


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