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手作りよりドッグフードを 高齢犬、食事で病気予防

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手作りよりドッグフードを 高齢犬、食事で病気予防

2016年3月21日 中日新聞

今や家族の一員として定着した感があるペット犬。
その3割超が10歳以上と、年々、高齢化が進んでいる。
一方で飼い主に適切な食事の知識が浸透せず、病気を抱えて介護が必要になる愛犬が増えている。
病気を予防し、健康寿命を延ばす食事のポイントを「ノア動物病院」(東京都八王子市など)の林文明院長に聞いた。


林文明院長

神奈川県秦野市の小笠原愛さん(38)が飼っているビアデッド・コリーの幸(ゆき)(メス)は、13歳の高齢犬。約5年前から週3~4回、嘔吐(おうと)を繰り返してきた。
そこで小笠原さんはノア動物病院に相談。
幸が高齢犬用フードを食べず、成犬用フードを食べてカロリー過多になり、肝臓などの働きが悪くなったことが原因とみられ、特別療法食のドッグフードに替えると、吐く回数が徐々に減った。
一般社団法人「ペットフード協会」(東京都千代田区)の「全国犬猫飼育実態調査」(2015年)によると、犬の飼育頭数(推計)は992万頭で、平均寿命は14.85歳。
7歳以上の高齢犬は54.6%と年々増え、そのうち10歳以上が6割を超える。
そんな中「食事が原因で病気を抱える高齢犬が増えている」と林院長は言う。
最近は「心を込めた食事を与えたい」と手作りする飼い主が増えているが、林院長は「手作りの食事は、バランス良く栄養を取るのが難しい」と、ドッグフードを薦めている。
ドッグフードには高齢犬用、室内犬用、小型犬用、肥満犬用など多様な種類がある。
愛犬の状況に応じて適切に選び、示された量を守ることが重要だ。
食事は「総合栄養食」と書かれたものをベースにし、ストレスを避けるため回数は一定に。
成犬は一日2回、子犬や老犬ならば1回分の量を減らし、数回に分けて与える。
間食(おやつ)の回数に決まりはないが、一日の必要カロリーの20%以内にする。
犬は、塩分が多く、味が濃く、良いにおいのものをおいしいと感じる。
人と同じ味付けの食事を与えたり、犬の好みに任せて食べさせたりすると、塩分の過剰摂取で腎不全や心不全になる恐れがある。
人の食物はできるだけ与えない。
人には無害でも、犬には危険な物がある。
ネギやタマネギは赤血球を急速に壊し、重い貧血になる。
チョコレートやコーヒーは脳神経系を侵し、命に関わる。
ガムに含まれるキシリトールは低血糖や重篤な肝障害に、レーズンは致命的な腎不全につながる。


林院長は「愛犬を長生きさせる食事」(小学館)を出版、栄養に関する啓発活動を行う。
「飼い主に知識があれば防げた病気もある。自分で食事を選べない愛犬の信頼に応え、正しい食事を心掛けて」と話している。


高齢犬用、肥満犬用など、多様な種類があるドッグフード。
愛犬に合ったものを選びたい。
(安食美智子)


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