猫の日、ニャンと多彩な222冊 熊本の書店
2016年2月17日 朝日新聞
お気に入りの絵本「花びら姫とねこ魔女」を持つ佐藤美和さん=熊本市中央区上通町の長崎書店
2月22日は2(ニャン)が三つ並ぶ「猫の日」。
その日にあわせて、書籍を通じて猫の魅力に触れてもらおうと、熊本市中央区上通町の長崎書店で、猫好きの店員が222冊を選び、販売する企画を実施している。
3月13日まで。
ペットフード業界の実態調査によると、昨年の飼育推計数は犬、猫とも約990万匹だったが、犬の減少傾向が続く一方、猫は横ばいで差がなくなってきた。
自身も猫好きという同店の長崎健一社長(37)も、最近は猫に関する新刊や出版物が多いと感じていた。
しかし、店の規模では新刊が出れば古い本の在庫を多く抱えることは難しい。
そこで思いついたのが、猫の本を一度に集めた企画。
店員14人のうち「一番の猫好き」という佐藤美和さん(30)に本選びを任せた。
イベントスペースには猫の絵本や猫が主人公のマンガから、夏目漱石の「吾輩(わがはい)は猫である」といった文学作品まで多彩な222冊が並ぶ。
特にお薦め50冊は紹介のポップを手作りした。
「何もとらわれずに生きている猫と、窮屈な世の中に生きているひと。猫の本を読んで、少しでも心が救われるかもしれない」と佐藤さん。
一方でペットを取り巻く問題にも理解を深めてもらおうと、殺処分などを取り上げた本も選んだ。
8匹の猫と一緒に暮らす佐藤さんの一番のお気に入りは県出身の絵本作家こみねゆらさんが描いた「花びら姫とねこ魔女」。
特別なものしか好まないわがままな姫が、特別な猫を探すなかで多くの猫と触れ合い、特別なこととは何かに気づいていく物語。
「猫と一緒にいると一匹一匹が違う存在で特別だと感じる。この物語に共感した」と話す。
雑貨100点のほか、猫みくじもある。
佐藤さんは「猫好きでない人も、本との出会いを通して猫の魅力に気づいてもらえれば」。
売り上げの2%は、地元の犬猫愛護団体「NPO法人犬ねこみらいサポート」と、捨て猫を保護し、その猫と触れ合うことができるカフェ「かごにゃん」(熊本市中央区)に寄付するという。
(小原智恵)
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