野良猫、無料で不妊手術 県獣医師会 子猫増やさず殺処分減らす/愛媛県
2015/07/20 朝日新聞・朝日新聞デジタル|更新|
愛媛県動物愛護センターで飼育され、新たな飼い主が決まるのを待つ猫=松山市東川町
愛媛県獣医師会は2013年10月、無料で野良猫の不妊手術をする事業を始めた。
飼い主の責任をより明確にした改正動物愛護管理法が9月に施行され、飼い猫や飼い犬の殺処分の減少が見込まれるが、法から漏れる野良猫の殺処分を減らすのが目的だ。
日本獣医師会によると、全国55の地方獣医師会のうち5カ所ほどで実施の先進的な取り組みという。
県獣医師会の無料不妊手術は、手術ができる生後おおむね6カ月以降の雌の野良猫が対象。
猫を殺さず生殖能力をなくすことで、飼い主のいない子猫を増やさないようにする。
手術に合わせ、人獣共通感染症につながる寄生虫の予防や手術経験を示す耳の印も施す。
術後の猫は地域が清掃や餌やりに責任を持つ「地域猫」として天寿を全うすることを期待している。
県獣医師会の寺町光博会長によると、街の野良猫は大小便やごみを散らかす問題があり、病気が人に感染した例もある。
一方で、かわいらしさから餌を与えるだけの人もいて、街に猫が増える一因という。
無料不妊手術は、今年度100匹(200万円分)を予定。
猫は年に10匹ほどの子を産むので、手術で年間最大千匹の子猫を減らせると見込む。
県内で昨年度殺処分された猫は3988匹だったが、多くが野良の子猫だという。
8日までで、すでに21の個人・団体から77匹の希望が出ており、県獣医師会の戒能豪常務理事は「関心の高さに驚いている」と話す。
希望者は、県獣医師会が用意する申込書に必要事項を書き、県獣医師会は希望者の飼育能力や責任感を確かめて「支援確約書」を発行、手術する獣医師を紹介する。
術前に検査が必要な場合、執刀する獣医師と相談して費用負担を決める。
来年度以降も続ける予定。
問い合わせは県獣医師会(089・948・5367)へ。
(奥村輝)
(朝日新聞2013年10月9日掲載)
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野良猫無料で不妊手術 愛媛県獣医師会
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