(声)捨て犬通じて命の尊さ学んだ
2015年4月13日 朝日新聞
中学校教員 渡辺しのぶ(千葉県 53歳)
高校教員が校内で子猫を生き埋めにしていたという。
命の尊さを教えなければならない学校で起きたことであり、ひとごとではないと感じた。
学校には、迷子になったり飼い主に捨てられたりしたと思われる犬、猫など様々な動物が入ってくる。
かつて私が勤務していた中学校でも、段ボールに入れられた10匹の子犬を、生徒が拾ってきたことがあった。
子犬は生後間もないように見えた。
小さな命を助けたいと生徒たちに熱意が生まれ、理科室でみんなで世話をしながら飼い主を探し、引き取ってもらった。
生徒や教員、獣医師、地域の人々など多くの力を合わせた結果だった。
生徒たちは命の尊さを実感し、自分たちもやればできるという自信を得た。
子猫を生き埋めにした問題は、教員が一人で悩まずに、多くの人が力を合わせて対応を考えれば防げたはずだ。
残念でならない。
「授業に支障」高校教諭説明 子猫生き埋め問題
2015年3月25日 朝日新聞
千葉県立薬園台高校(船橋市)の30代の男性教諭が校内で子猫を生き埋めにした問題で、同校の大輪茂利校長は24日に記者会見し、教諭が学校に対し、「授業に支障があると思い、自分の責任で処分しなければいけないという考えが先に立ってしまった」と説明していることを明らかにした。
同校によると、教諭は6日午前、自分の管理する学校敷地内の温室で、生まれたばかりの子猫5匹を発見。
同日夕、担任するクラスの男子生徒3人に、理由を告げずにスコップを用意させたり穴を掘らせたりした。
子猫を埋めた際は、教諭1人だった。
生徒が離れた場所から見ていたという。
生徒に手伝いを頼んだことについて、教諭は「とにかく早く処分したかった」と説明。
自身の判断を後悔し、反省しているという。