犬・猫の「アジサイ」誤食に注意…死に至るおそれも
「ユリ」「ツツジ」「フジ」にも注意
2023年7月6日(木)
梅雨の風物詩・アジサイや夏にかけての花とされるユリ。
風情を感じる植物ですが、実は犬や猫が誤って食べてしまうと、場合によっては死に至る可能性もある危険な成分を含んでいます。
散歩の時は誤って食べないよう注意が必要です。
上品な青や紫の花が癒しを与える梅雨のアジサイ。
そして、初夏から夏にかけて見頃を迎えるユリ。
実はこの2つ、有毒成分を含む花でもあるのです。
そこで気を付けたいのが、犬や猫といったペットです。
誤って食べてしまった場合の危険性について、獣医師に聞きました。
松江動物病院 河合賢治 院長 「調べた中でも70くらいの植物が毒性があることが分かりまして、致死性のあるもの、意外と身近な注意せずに接しているものも含まれています」
松江動物病院(島根県・松江市)の河合院長によると、調べた中でも70以上の植物や果物などが犬や猫にとって「毒」となり得る成分が含まれていると言います。
では、アジサイはどのような症状を引き起こすのでしょうか。
松江動物病院 河合賢治 院長 「アジサイは毒の成分として青酸配糖体・アミグダリンという物質が含まれていて、犬や猫の口に入ると消化液で代謝され青酸カリと同じ青酸に変わります。これは猛毒ですから下痢嘔吐、それで済まない場合は死亡してしまいます」
アジサイの葉に含まれる毒性のアミグダリン。
誤って食べた場合、体内で分解され青酸となり、中毒症状を引き起こす可能性があると指摘します。
松江動物病院 河合賢治 院長 「毒性物質は、ある程度の量が体内に入って毒として強く働くので、アジサイの場合、直接口に入れるぐらいの量が入らないと毒としては強いものではないと思います」
また、ツツジやフジといったポピュラーな植物も、犬や猫が誤って食べてしまうと、嘔吐や下痢、呼吸停止などの中毒症状を起こすおそれがあると言います。
そして、猫は「ユリ」に注意が必要です。
松江動物病院 河合賢治 院長 「ユリの花はですね、猫にとって腎不全が起きることが言われています。ユリを生けた花瓶の水を飲んだだけでも中毒で腎不全になるというというものも報告されています。飼っている家は(ユリの花瓶などを)床に置かない方が良いです。仏壇にユリを供えるのも危険です」
毒成分は不明とされていますが、猫が誤って口にすると、葉や茎、花粉など少量でも危険な中毒症状を起こすとされています。
一方、犬にとっては…
松江動物病院 河合賢治 院長 「ユリの毒性成分が特定されていません。不思議と犬に対しては毒として働かない。あまり症例が報告されていないので犬にとっては無害だと考えられています」
河合院長は、すべての犬や猫がこうした植物による中毒症状が出るわけではないとした上で、万が一の際は、早めに動物病院を受診してほしいとしています。
松江動物病院 河合賢治 院長 「植物にはもしかしたら毒があるかもしれないということを知っていただいたうえで「口にさせない」が、最大重要なことだと思います」