冷凍庫に15匹の犬の死骸 ペットショップ経営の女(44)を逮捕
ずさんな飼育の実態とは 富山・魚津市
2022年11月18日(金)
飼育する犬5匹を虐待したとして、ペットショップ経営の44歳の女が逮捕されました。
女は44匹の犬をずさんな方法で飼育し、少なくとも15匹の犬の死骸を冷凍庫に入れていたことが明らかになりました。
女が逮捕されるまでの独自取材です。
今年5月、犬たちが劣悪な環境で飼育されているという情報が入り、取材を始めました。
床を見ると掃除もされず汚物が散乱しています。
裏口へ回ると、柵の向こうにはたくさんの犬…。
床には大量のトイレットペーパーが散乱し、掃除はされていません。
現場は富山県魚津市のペットショップ・チッチ。
店の張り紙には『当店のママ犬&パパ犬です!常時、50頭以上の親犬がおります。この子達の産んでくれた子犬を販売します』とあります。
ペットショップを経営していたのは、武田愛貴容疑者、44歳。
2005年から店を経営し、犬の繁殖や販売、トリミングを行っていました。
しかし、数年前から犬の世話をしなくなったといいます。
武田容疑者をよく知る人物(電話): 「ちゃんと面倒見れるん?」
武田愛貴容疑者(電話): 「面倒見とるんやけど、掃除はしてなかった」
これは、去年5月ごろに録音された、武田容疑者の会話の音声です。
武田容疑者をよく知る人物(電話): 「うんここびりついた廊下、拭かんなダメやろ。普通は拭くよ、あんなになる前に」
武田容疑者(電話): 「ふっふっふ…」
そして今年6月15日、富山県の職員がペットショップに調査に訪れます。
記者: 「午前10時10分です」
窓から武田容疑者が顔を出しました。
富山県の職員に何か話しています。
玄関を開けて出てきた武田容疑者。
しかし、再びドアを閉めて家に入ってしまいました。
続いて、富山県警の捜査員が武田容疑者を呼び出しますが…。
記者: 「捜査員の呼び出しから10分が経過しましたが、いまだ本人は姿を見せません」
すると、犬舎が騒がしくなり始めます。
記者: 「今、警察が家宅捜索に入ります」
裏口のドアを親族が開け、捜査員が家宅捜索に入りました。
部屋の中を見回る捜査員や県の職員。
犬を抱き上げて1匹1匹、健康状態を確認します。
捜査員はペットショップから隣の犬舎に移動しました。
施設内にいたのは44匹の犬。
健康状態を確認すると、病気やケガをした犬がいたといいます。
警察は、トイプードル3匹とパピヨン2匹の合わせて5匹を保護。
ペット用のゲージで運び出しました。
そして、黒いフードをかぶって出てきた武田容疑者。
病気やケガをした犬5匹に適切な処置をしなかったとして動物愛護法違反の疑いで11月17日、逮捕されました。
今年6月には、武田容疑者の親族が取材に対し、ペットショップの状況を明かしていました。
武田容疑者の親族: 「エサとか水がないときも多々あります。(容疑者が)普通に1週間以上来ない時も多々あります。来ないときは1か月も店に入らない」 「犬も汚いからかストレスで犬同士がけんかして…」
記者: 「この中には死んでしまった犬も?」
武田容疑者の親族: 「います。冷凍庫に突っ込んである状態…」 「これが冷凍庫なんですけど、(死骸が)ブランケットにくるんであったり…」
死んだ犬を処理する金がないため、一年近く冷凍庫に死骸を入れていたというのです。
記者: 「これは本人が?」
武田容疑者の親族: 「はい」「中がどうなっているかわからなかったので見たら」「犬が死んでいて、そのまま冷凍庫に入れられた状態」
冷凍庫には少なくとも15匹の犬の死骸があったといいます。
動物保護団体「しっぽのこころ」
宇多利美代表(電話での会話): 「警察案件があって、犬の一時保護を頼まれたんね。小型犬ばかり40頭ほど、(保護を)1頭お願いできないかなと思って、電話したがです」
犬舎から外に出された、たくさんの犬たち。
仲間の愛護団体が次々と保護に訪れました。
記者: 「爪が本当にひどいですね」
動物保護団体「しっぽのこころ」
宇多利美代表: 「爪はもう、これは1年ほどそのままやね」
ほとんどの犬が病気やけがをしていたといいます。
中には、早急に手術が必要な犬もいました。
武田容疑者は当初、犬の世話に一生懸命だったといいます。
武田容疑者の親族: 「(かつては)犬が1番で、自分が2番でしたね」
この店で犬を購入した女性も…。
武田容疑者から犬を購入した女性: 「本当に犬に詳しい方で、本当に犬を愛しているというか、1から10まで教えていただいて、すごく感謝しています」
しかし、武田容疑者は3年前、従業員とトラブルになり全員を解雇。
その後、犬の世話をしなくなり、親族が手伝っていましたが、追いつかなくなったといいます。
動物保護団体「しっぽのこころ」
宇多利美代表: 「レスキュー時(の犬)は魚の死んだような目、喜怒哀楽がまったくなかったですけど。いまはもうみんな笑顔」
記者: 「あの日、あのままだったら?」
動物保護団体「しっぽのこころ」
宇多利美代表: 「亡くなっていた命だと思う」
逮捕後、武田容疑者が「これぐらいでは虐待にあたらない」と供述していることを動物愛護団体に伝えると…。
動物保護団体「しっぽのこころ」
宇多利美代表: 「あれが虐待でなかったら 何が虐待なのか」
逮捕から一夜が明けて親族は…。
武田容疑者の親族: 「まずは自分の犯した罪を認めてもらいたい。そして、もう動物に関わる仕事はしてほしくない。それは今みんな親族が望んでいることですね」
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冷凍庫から多数の犬の死がい 犬5匹虐待か ドッグサロン経営の女逮捕|TBS NEWS DIG - YouTube
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