ウクライナの危険地域に取り残されたペットたちの今
2022年10月27日: カラパイアimage credit:Nate Mook/Twitte
ウクライナがロシアに侵攻されて8か月が過ぎた。
未だ終わらない戦争に、ウクライナの人々は想像を絶する困難と恐怖に直面し続けている。
だがそれは人間だけではない。
◆危険地域には飼い主と離れ離れになってしまった多くの犬
給餌ステーション前で辛抱強くきちんと並んで餌を待つ犬たち
危険地域には飼い主と離れ離れになってしまった多くの犬や猫たちが取り残されており、住み家を奪われ、食べるものにも困っている状態だ。
ウクライナで動物救助活動をしているボランティアたちは、お腹をすかせた動物たちの為、給餌ステーションを設置した。
すると犬たちは、きちんと列を作り、自分の順番がくるのをじっと待っていたのだ。
その姿があまりにも健気でせつなくて、多くのユーザーの涙を誘った。
10月21日、アメリカ・ワシントンからウクライナに来て動物支援ボランティアを続けているネイト・ムックさんは、クラマトルスクの通りで犬たちが一定の距離を保ちながらきちんと列をなして餌を待っている姿を見た。
飼い主たちはペットを連れていく間もなく、泣く泣く危険地帯から避難しており、離れ離れとなってしまった。
取り残されたペットたちは、安心な住み家を奪われ、飼い主と会えず寂しい日々を空腹で過ごしている状態だ。
その前日、ムックさんたちボランティアはペット用の給餌ステーションを設置した。
すると、犬たちは、我先にと餌に飛びつかず、自分の順番がくるのを辛抱強く並んで待っていたのだ。
ムックさんは犬たちのあまりの健気さに「こんな光景は見たことない」とツイートをした。
◆家と飼い主を失ったペットたちを支援する各国の人々
BBCによると、ウクライナ人の500万人以上が近隣諸国に、700万人以上が国内の別の場所に避難したようだ。
緊急事態の為、あるいはペットを連れていくことが許されず、泣く泣くペットと離れ離れになった飼い主は多い。
そういったペットたちは、今もウクライナの危険地域で暮らしている。
動物たちを救うべく、世界各国からボランティア団体が支援活動にいそしんでおり、ムックさんもその1人だ。
ムックさんは、家や飼い主を失ったペットの支援を積極的に行っている。
支援活動は困難を極める。
危険地帯で活動していることから命の危険性もある。
更に、食料などの物資を調達するための資金も必要だ。
病気になった動物たちを救うには病院代もかかる。
そうした資金は世界各国からの寄付によって賄われている。
ムックさんは、最近寄付された230kgほどのペットフードを、新たに解放された都市の路上をさまよう犬猫たちのために、スヴャトヒルシクの保護区に届けるのを手伝ったそうだ。
クラマトルスクとハリコフの間の解放されたイジウムの街にも、猫たちのために給餌ステーションが新たに設置されたという。
ムックさんのツイッターでは、ボランティア仲間がペットフードトラックのようにバンからサービスを提供するために様々な地域に出向き、全力でペット支援をしている状況がシェアされている。
◆何の罪もない動物たちが、ある日突然窮地に立たされている現状
今回、ムックさんがシェアしたウクライナに取り残されたペットたちの姿は、多くのユーザーの胸を打ったようだ。
猫たちは、私が彼らのために何かを持ってきたことを察知すると、駆け寄ってきて私を出迎えてくれました。
ここクピアンスクやその他の解放された地域にいるペットの多くは、占領と爆撃によってトラウマを抱えています。
現在、ロシア人は撤退したものの、爆撃は続いています。
家も家族も食料も奪われた動物たちの救いとなれるよう、できる限りのことをしていくつもりです。
中には、危険な地域でさまよううちに怪我をしてしまったのか、鼻に傷痕を持ち、とても悲しそうな表情で見つめる猫もいて、心痛めるユーザーも少なくない。
ムックさんは、自身のTwitterで日々の活動の様子を更新すると共に、動物たちの食料を確保するための支援を呼びかけている。