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紅葉狩りを楽しむ御誕生寺の猫たち

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紅葉狩りを楽しむ御誕生寺の猫たち
 秋深まる福井県越前市の「猫寺」

2022年11月17日(木) 

暑い夏が終わり、ホッと一息。
心地よい爽やかな風に目を細める一匹の猫の姿。


落ち葉のカーペットに前足を揃えて“瞑想”する猫。この猫の名は「オオタクン」。参拝客の道案内も務める人気者だ。

ここは猫寺として知られる福井県越前市の御誕生寺。
平成14年、曹洞宗の修行道場として、現地に建立の工事中、段ボール箱に入れられた4匹の子猫が境内に捨てられていた。
その後も心無い人間による「捨て猫」が後を絶たず、面倒をみているうちに猫はどんどん増えていった。
エサ代や治療費もかさむようになってきた。
そこで寺では、当時副住職だった猪苗代昭順(しょうじゅん)さんのアイデアで、SNSなどを駆使し、全国の猫ファンに向けたメッセージの発信をスタートさせた。
すると国内各地はもちろん、海外からも猫に会いたいという参拝者が急増。
随時開催される「譲渡会」も好評で、寺で面倒を見ている猫の譲渡はもちろん、里親募集の橋渡しにも一役買っている。
猪苗代住職によると、近年は若いカップルの参拝が増えてきたという。
目的は猫のみならず、御誕生寺が「人と猫とを結ぶ場所」という事から「縁結び」の願いを込めての参拝なのだそう。
日々の修行に加え、猫の世話まで…大変なのでは? 若い修行僧に尋ねてみた。
返答は「これが日常です。日々の修行の一部です」ときっぱり。
ある秋の日、境内のお気に入りの場所で、まるで紅葉狩りを楽しんでいるかのような猫を見つけた。
カメラを向けた瞬間、モミジの葉が1枚、彼の鼻先に舞い落ちた。
一瞬目を見開いたその表情に、思わず吹き出しそうになりながらシャッターを切った。

(尾崎修二)


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