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全国有数の殺処分数 長崎市が繁殖防止へ条例

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野良猫の命大切に
 全国有数の殺処分数 長崎市が繁殖防止へ条例

2022年6月25日(土)  

長崎市は2020年度に野良猫など536匹の猫を殺処分した。
全国62の中核市で最も多く、20政令市を含めて比較しても2番目に多かった。
殺処分をできるだけ回避しようと、長崎市は7月1日、動物愛護条例を施行する。
野良猫への無責任な餌やりなどを禁止し、繁殖を抑えるのが目的。
猫との共存に悩む港町・長崎の取り組みは奏功するか。


長崎市動物愛護センターで譲渡を待つ子猫=長崎市茂里町で2022年6月24日午後2時34分、松本美緒撮影

市動物愛護管理センターによると、同市は温暖な気候に加え、車が通りにくい路地や斜面地、空き家が多く、野良猫が繁殖しやすい環境がある。
古くからの港町で餌になる魚も多いとみられる。
飼い猫が放し飼いにされているケースもあり、20年度は猫のふん尿などの苦情や相談が562件寄せられた。
20年度に同センターは、親がいない子猫や病気やけがで動けなくなった猫、著しく地域に被害を及ぼしているとして住民から持ち込まれた猫など671匹を引き取った。
飼い主を探すなどして114匹が譲渡・返還されたが、病気などで譲渡が難しいと判断された536匹が殺処分された。
一方、20年度に引き取られた犬60頭は全て譲渡され、殺処分はなかった。
同センターの島崎裕子所長は「猫は犬と比べて引き取り数が多く、殺処分を減らすためには、まず繁殖を抑える必要がある」と話す。
新たな条例には、市と市民、飼い主の責務を明記。
野良猫の繁殖抑止のため、周辺の生活環境に支障が生じるような餌やりは禁止され、餌をやる場合も不妊去勢手術などを受けた猫に限定したり、餌をやる人がふん尿を適切に処理したりするなどのルールを設けた。
猫の飼い主にも屋内飼育に努めることや、やむを得ず屋外で飼育する場合も不妊去勢手術などをするよう求める。
飼い主が飼育数の把握などができなくなり爆発的な繁殖につながる「多頭飼育崩壊」を防ぐため、犬や猫を合わせて10以上飼育する場合は市への届け出を義務付け、違反すれば市が指導する。
島崎所長は「人と動物が共生する社会を実現するために、命に責任を持ってもらいたい。市民に協力をお願いしたい」と話した。

【松本美緒】

長崎市│「長崎市動物の愛護及び管理に関する条例骨子(案)」へのパブリック・コメントの募集結果について (nagasaki.lg.jp)


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