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国内初の繁殖に成功したスナネコの母、高貴な姿が話題に 4姉妹の現在は?

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国内初の繁殖に成功したスナネコの母
 高貴な姿が話題に 4姉妹の現在は?

2021年12月19日(日)

「希少動物たちの命をつなぐ」ことを責務としている「那須どうぶつ王国」(栃木県那須町)では近年、レッサーパンダ、マヌルネコ、スナネコなどの希少種が誕生しています。
クラウドファンディングなども積極的に行う同園では、多くの人に動物の保全・保護に関心を持ってもらおうと飼育や園内の様子を公式ツイッターアカウント(@nakprstaff)に投稿。
中でも2020年に国内の動物園(日本動物園水族館協会加盟園)で初めて繁殖に成功したスナネコが人気です。
2.7万件以上の“いいね”を集めた投稿について、同園の担当者に話を伺いました。


4頭のメスの母親・スナネコのジャミール【写真提供:那須どうぶつ王国】

 ◇ ◇ ◇

◆国内で初めてのスナネコ繁殖に成功
ゴールドの瞳が目を引くスナネコのメス。
アラビア語で「美しい」という意味を持つ「ジャミール」と名付けられ親しまれています。
同園では日本固有の野生ネコ「ツシマヤマネコ」の保護に力を入れようと、まずは同じ小型のネコ科動物の飼育経験を積むことを計画。
2019年10月にジャミールと、オスの「シャリフ」(アラビア語で「気高い」を意味)を受け入れ飼育をスタートしました。
飼育員さんたちの願いが通じ、ジャミールは2020年4月27日の早朝に3頭を出産。
しかし先に産まれたオスとメスは死産でした。
「初めての出産に戸惑うジャミールは何もできず、大きい声で巣箱の近くをうろつきながら『ワンワン』鳴いていました。もう息をしていない2頭、そして次に生まれたメス(のちの「アミーラ」)を見て動揺していました。飼育員たちはギリギリまでジャミールがどうするのか待っていましたが、最後に産まれた3頭目の命を守ろうと人工哺育にすることに。手のひらに乗せたアミーラは衰弱し低体温症を起こし危険な状態でした」
国内の動物園では人工哺育の飼育例がなく、情報を集めることは難しかったそう。
これまで経験したネコ科のマヌルネコなどで得たノウハウを生かし、手探りで取り組みを始めたといいます。
野生でも子どものうちは死亡率が高いため、1時間おきに様子を確認。
スタッフが排泄を手伝うなどして命をつなぎました。
飼育員のサポートもあり元気に成長した赤ちゃんは、公募によりアラビア語で「お姫様」の意味を持つ「アミーラ」と命名されました。
昨年6月から一般公開もされています。

◆3頭の妹とともに新しい嫁ぎ先へ

アイドル的な人気を集めたスナネコ4姉妹【写真提供:那須どうぶつ王国】

元気に育ったアミーラには、3頭の妹がいます。
3頭は同園で7月9日に産まれました。
2度目の出産を経験したジャミールは1度目とは異なり、巣箱の中で2頭を抱えていたそう。
しかし体が濡れたままだった1頭(のちの「ハディーヤ」)は、アミーラと同じ低体温症と脱水の症状が出ていたといいます。
危機を回避しようと1頭は引き離し、アミーラと同じように人工哺育で育成。
3頭のメスはアラビア語で「日が昇るところ」を意味する「マシュリク」、「友達」の意味がある「サディーカ」、そして飼育員さんたちが育てたメスには「贈り物」を示す「ハディーヤ」という名が贈られました。
ツイッターでは、6頭の暮らしを写真などで投稿。
大きな瞳や、子猫のような愛らしい姿から、アイドルのような人気を誇っています。
その中で4姉妹の母ジャミールの高貴な佇まいが評判に。
「朝食後に満足そうな表情を見せていた」という1枚の写真には「かわいい、ママ」「こんな鳴き顔見たら会いたくなっちゃった」「遠吠えしてるみたいです」などのリプライ(返信)が寄せられました。
アフリカ北部から中央アジアにかけて生息するスナネコは、体長40~60センチ、体重2~3キロで同科では世界最小級。
「砂漠の天使」という異名を持っています。
砂漠下での暮らしに適応できるよう毛に覆われた肉球も特徴です。
見た目は家ネコのように見えるスナネコ。
担当者は「家ネコと同じく香箱座りをします。鳴き声は『ニャー』ではなく『ギャウギャウ』と野性味あふれています。かわいい顔からの鳴き声のギャップがいい。小さい体でも立派な肉食獣です」とその魅力について教えてくれました。
長く親しまれてきた4姉妹でしたが、揃った展示は11月30日が最後でした。
普及や繁殖のため、サディーカとマシュリクは「ネオパークオキナワ」(沖縄県)、ハディーヤは「長崎バイオパーク」(長崎県)にお引っ越し。
アミーラは移送先が決まるまで、両親とともに同園での展示を続けるといいます。
飼育員の荒川友紀さんは「4頭にとっては新たな場所で繁殖に取り組んだり、魅了をしたり新しい始まりでもある。これからも4頭を応援してほしい」と話しています。

Hint-Pot編集部・西村綾乃

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スナネコのアミーラ&妹ちゃん【那須どうぶつ王国】 - YouTube



スナネコって?性格は?ペットとして飼えるの?・・・(ペットとしては飼えません!)

2021年12月2日(木) ネコマガ

【スナネコ】という砂漠地域に生息する小型の猫をご存じでしょうか。
『砂漠の天使』と呼ばれるほど愛らしい姿は、テレビ番組で紹介されるとたちまち話題になるほどでした。
本記事では、そんな希少性とかわいらしさが同居するスナネコについて解説します。

◆スナネコって?
スナネコは、アフリカなどの乾燥した砂漠地域に生息する世界最小クラスの野生ネコです。
i特徴的なかわいらしさから、『砂漠の天使』という異名を持つ猫種になります。

◆スナネコの大きさ
スナネコの大きさは体重約2~3㎏、体長約39~57cm程度と、日本で見られる一般的な猫と比べかなり軽く小さな猫種です。
しっぽの長さも20cmと短めで、一般的な猫のしっぽの長さである30cmと比べるとこちらも小型サイズということがわかります。

◆スナネコの特徴
小さく愛らしい見た目から『砂漠の天使』といわれるスナネコですが、生息地域の環境に適応するための機能など、ほかの猫種にはない特徴を持っています。
例えば、毛色は砂漠で見つかりにくい『灰黄色(はいこうしょく)』と呼ばれる背中部分が明るい灰色がかった黄色です。
そこには青白い線が走っており、しっぽは先端にいくに従い黒くなっていき、黒い輪っか模様が入っています。
また、耳道に砂が入るのを防ぐため、耳の内側には長い毛が生えているほか、足裏にも長い毛が生えており、灼けた砂の上を歩いても火傷をしないようになっているなど、環境に適応した特徴が見られます。

◆スナネコの生態
スナネコは名前の通り砂で覆われた砂漠地域に生息する猫種で、砂漠という過酷な環境下で活動するため独特な行動が見られます。
例えば、気温が高い日中はリスクが高いため、活動するのは日が落ちた夜間。
元々、ネコ科の動物は夜行性ですが、日中は巣穴や岩陰に身をひそめ、暑さや外敵から身を守るため基本的に行動することはありません。


スナネコの生息地

◆スナネコはペットとしてはおすすめできない
かわいい動物を飼いたいと思うのは、動物好きであれば当然のこと。
しかし、そうした人間の欲求よりも動物の都合を優先する必要があります。
結論から言えば、スナネコはペットとして飼うのには向かない動物です。
ここでは、スナネコのどんな点がペットとして飼育することにおすすめできないのか、その理由を紹介していきます。

◆飼い猫には向かない野性味のある性格
スナネコはとてもおとなしく、かなり臆病な性格をしています。
野性味が強く人間にも慣れていないため、人に懐くことはなく飼い猫としては不向きな性格といえるでしょう。
また、気性の荒さもあり、仮に飼ったとしてもいわゆるペットとして人間が期待するような関係性を築くことは難しいです。

◆一般家庭で生活環境を整えるのは難しい
上述したように、スナネコは砂漠という特殊な環境に生息しています。
例えば動物園であれば、生息地に近い環境をある程度作り出すことは可能ですが、家の中で飼うのであればそれも難しいでしょう。
環境が用意できない状態で飼うと、スナネコの本能的な欲求を満たすことが難しくなるので、大きなストレスを与えることになってしまいます。
また、スナネコの生息地は湿度が低く乾燥した土地です。
日本のような高温多湿な環境は暮らしにくいだけでなく、感染症にかかりやすくなってしまいます。
こうしたことを考えると、日本の一般家庭ではスナネコを飼うのに向いていないといえるでしょう。

◆ペット取引によって絶滅の危機に瀕する可能性が大きい
スナネコは絶滅に瀕した猫種として、レッドリストに登録されています。
生息地の減少や食料となる獲物の激減、さらには戦争や地下核実験が原因で、スナネコが生きていくための環境が破壊されたことが大きな理由です。
事実、イエメンやイスラエルなどの地域では、環境の変化に適応できず、ある時期を境に生息した記録がなくなったため、絶滅したと考えられています。
スナネコは、ワシントン条約で規制対象となる特定動物には指定こそされていないため、輸入をすること自体は可能です。
しかし、生活環境が違いすぎる日本で飼うということは、絶滅危惧種の命を危険に晒すことになります。

◆まとめ
テレビ番組で取り上げられたことで、その圧倒的なかわいらしさが広く知られるようになったスナネコ。
「飼ってみたい」と思った方も多いと思いますが、絶滅危惧種に指定される動物で、その扱いには慎重さが求められます。
そうでなくても、砂漠という乾燥した地域で生息している動物なので、高温多湿な日本の環境でスナネコを飼うことはおすすめできません。
現在、日本国内では那須どうぶつ王国と神戸どうぶつ王国でその愛らしい姿を見ることができるので、飼うのではなくそちらに会いに行ってみてはいかがでしょうか。



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