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ぼくと『じゃがいも』の10年物語

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ぼくと『じゃがいも』の10年物語
 被災地から預かった子犬が「災害救助犬」に #あれから私は

2021年3月10日(水) メ~テレ(名古屋テレビ)

福島の原発事故で、帰る場所を失った飼い犬たちが岐阜県で過ごしています。
震災をきっかけにペットの避難に取り組む男性と、福島生まれの災害救助犬の10年を見つめます。
訓練士の指示に軽やかな動きを見せる災害救助犬、名前を「じゃがいも」といいます。
「『じゃがいも』のふるさとは福島県飯舘村です。人口約6000人の村が、原発事故で全村避難になり『犬の避難先がなく、預かってくれないか』という話が来て飯舘村へ行きました。その中で『じゃがいも』と出会いました」(日本動物介護センター理事長 山口常夫さん)
山口常夫さんは、長らく警察犬や災害救助犬の育成を続けています。
『じゃがいも』と名付けたのは、この犬のふるさとから届いたジャガイモの味が忘れられなかったことからです。

◆生まれて間もない『じゃがいも』は故郷・福島を離れ岐阜へ

生まれて間もない『じゃがいも』(写真の中央)(2011年)

10年前、福島県飯舘村は原発事故の影響ですべての住民が避難することに。
生まれて間もない『じゃがいも』は、岐阜で暮らすことになりました。
「最初は災害救助犬を連れて被災地にかけつけたんです。我々も行く準備をしていたんですけど、津波でほとんど家が流されて、災害救助犬が活躍する場所がなく、みんな引き上げたんですね」(日本動物介護センター理事長 山口常夫さん)
原発事故に伴い、福島の人たちの中には、他の町などへ避難を余儀なくされた人も。
当時、犬や猫たちは、飼い主と避難生活を送ったものもいれば、急きょ開設された避難シェルターに預けられたものもいました。
「飯舘村の村長や担当者と話したら、107頭預かってくれないか、と。48頭預かりました。107頭までのスペースはなかったし、逐次受け入れを増やして預かろうと毎週のように被災地へ通いました」(日本動物介護センター理事長 山口常夫さん)

◆ふるさとに帰れずに生涯を終えた犬も

「日本動物介護センター」で暮らす犬

このころ、山口さんは岐阜県富加町に高齢の犬の介護施設「日本動物介護センター」を開いていました。
ここに、福島で飼い主と離れ離れになった犬たちを預かることにしました。
「今、福島県の犬が6頭ですかね。お客さんから預かって訓練するのはあったけれど、こんなに長く預かるのは初めての経験です」(日本動物介護センター 訓練士 上村智恵子さん)
飼い主側は、避難生活が長引いたり、新生活がはじまっても犬を飼える環境が整わなかったりして引き取るまでに長い時間を必要としていました。
中には、ふるさとに帰れずに生涯を終えた犬もいます。

◆10年経っても飼い主が『見つからない』犬も

年2回の里帰り(2013年撮影)

山口さんは年に2回、犬たちをクルマに乗せて飯舘村を訪ねます。
そこでは、飼い主の元へ帰れる犬もいれば、再び岐阜へ戻る犬もいます。
現在も帰ることができない6匹のうち、3匹は飼い主が見つかりません。
「その犬たちも10年経っているということは、最低でも10歳以上ということなので、このままここで生涯を終えるんじゃないかと思っていますけど。飼い主が見つかればいいのだけれど…」(日本動物介護センター 訓練士 上村智恵子さん)

◆大切なペットを守るために日頃の「備え」が必要

ペットの水や食料の備蓄が必要

東日本大震災が起きる前、福島県で登録されていた犬の数は15万匹以上。
愛知県内では43万匹を超える犬が家庭で飼われています。
岐阜・三重県内ではそれぞれ約12万匹です。
南海トラフ地震に備えるこの地方にとって、ペットの避難は、避けて通ることはできない課題です。
この地方の飼い主の人たちも悩みを抱えています。
「ケージ内に入るようにしつけはしてあるんですけど、犬が苦手なので、気配がすると吠えたりするので、無理なら車の中で避難だよねと家族と話はしています」
「いま9頭飼っています。数が数なので、1匹抱えて逃げるわけにはいかないので、考えています」
「3頭いるので、皆さんが集まるところに避難できない時はどうしようかなと、頭をよぎるときはあります」
国はペットの避難について、飼い主との「同行避難」を勧めています。
山口さんも啓発活動を続けています。
「『家庭で飼われている犬は避難所でどう対応出来るか』と言われたら、家庭の中で飼っているようにはいかないから、ゲージに入れなくてはいけないですね。入ったことのない犬はパニックになります。普段からゲージに入る訓練をしておいたほうがいいのかなと」(日本動物介護センター理事長 山口常夫さん)
避難所には、ペットの水や食料までは確保されていないと考えなければいけません。
日頃からの備蓄も必要です。

◆自治体に働きかけ災害時「動物を預かる」協定を締結

災害時の動物の預かり協定(2017年 岐阜県関市役所)

飼い主への啓発活動と同時に、山口さんは自治体へも働きかけています。
いざという時、山口さんの施設で約100匹を預かることが出来る体制を整えました。
これまでに岐阜県関市や三重県いなべ市と災害時の動物の預かり協定を結んでいます。

◆福島生まれの災害救助犬『じゃがいも』が伝える「3.11」

福島生まれの災害救助犬『じゃがいも』

一方で、福島生まれの『じゃがいも』も頑張っています。
4年前に災害救助犬の認定を受け、常に災害発生時の出動に備えています。
被災地で生まれた災害救助犬『じゃがいも』の物語はいま、「道徳」の教科書や絵本になって3.11を伝えてもいます。
「ペットと災害」を考え続けてきた山口さんの10年。
「日本動物介護センターは、犬を助ける、介助犬を育成する目的で作ったんですけど、ほとんど『じゃがいも』と『被災地の犬』の仕事になりました。ぼくの人生を半分変えてくれた」(日本動物介護センター理事長 山口常夫さん)

(3月10日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)

ぼくと『じゃがいも』の10年物語 被災地から預かった子犬が「災害救助犬」に #あれから私は (21/03/10 14:30) - YouTube


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