挑戦11回、災害救助犬に合格
原発事故で福島離れた5歳雑種「じゃがいも」
東京電力福島第1原発事故の影響で、生後間もなく福島県飯舘村から岐阜市に預けられた5歳の雄の雑種犬「じゃがいも」が、2017年9月、11回目の受験で災害救助犬の試験に合格し、9日に通知が届いた。
飯舘村は3月に大部分で避難指示が解除されたばかりで、訓練スタッフは「10浪しても、諦めなければ花は咲く。復興を後押しする希望になれば」と力を込めた。
認定試験に合格し災害救助犬の刺しゅうが入ったガウンが贈られた福島県飯舘村生まれの雑種犬「じゃがいも」=9日午後、岐阜市
じゃがいもは事故から3カ月後の2011年6月、飯舘村の民家で生まれた雄。
村が全域避難となったことを受け8月にNPO法人「日本動物介護センター」(岐阜市)の理事長山口常夫さん(66)に預けられた。
2011年、『じゃがいも』は、福島県飯館村から岐阜県富加町の犬の訓練所に引き取られてきました。
東日本大震災の直後、避難所で飼い主たちは犬のことで困っていました。
岐阜の訓練所の山口常夫さん(63)は、現地に入り、45頭を預かることになりました。
そのうちの一頭が、生まれたばかりの真っ黒な子犬でした。
山口さんは、その子犬を『じゃがいも』と名付け、災害救助犬にしたいと考えます。
しかし、訓練士の上村智恵子さんとトレーニングを続けていますが、『じゃがいも』は、なかなか試験を突破できません。
がんばれ、じゃがいも!
「災害救助犬じゃがいも11回の挑戦 あきらめない!」
山口常夫/文
出版社名:岩崎書店
ページ数:143p
発売日:2019年11月
販売価格:1,300円 (税込:1,430円)
山口 常夫
NPO法人日本動物介護センター理事長。
岐阜ドッグトレーニングセンター所長。
現在、岐阜で日本各地の被災犬や介護が必要になった犬などをあずかる。
また、小・中学校で、人に役立つ犬の活動を知ってもらうための講演をし、犬の活動の啓蒙に努めている。
※「ぼくと『じゃがいも』の10年物語」 明日掲載!