犬好き以外はあまり知らない犬に関するトリビア
2013/3/2 マイナビニュース
犬は大昔から人間と一緒に暮らしてきた動物です。
その「つきあい」の始まりは1万2,000年以上も昔にさかのぼるといわれています。
現在の日本では、犬はペットとして最も飼育頭数の多い動物です。
この人間の良き友「犬」について「トリビア」を集めてみました。
■帰って来られない犬もいる
何百キロと離れた場所からご主人を目指して帰って来た「忠犬話」がありますが、実は、犬は犬種によって「帰巣本能」の強さが異なっています。
一時期、日本で飼育が大流行したシベリアン・ハスキーなどは帰巣本能が弱いといわれている犬種です。
また小型犬も「帰巣本能が弱い」などといわれますが、これは室内犬が多く、外で遊ぶこと、道を知らないためのようです。
■犬は「おいしい」と感じている!?
人間は以下のような味を感じる舌を持っています。
甘い、辛い、しょっぱい、酸っぱい、苦い、うまい
これらの味を感じることができるのは「味蕾(みらい)細胞」があるからです。
犬の舌の味蕾(みらい)細胞を調べてみると、人間の1/5ほどしかありません。
味を感じる能力が低いのは確かです。
それでも研究者によれば、犬は「甘味」「苦味」「酸味」「うま味」は感じることができるようです。
しかし、「しょっぱい」という「塩味」を感じる味蕾(みらい)が舌にあまりないそうです。
これは、野生の場合、肉食をすれば「血液」を捕食することになって、そこから塩分を摂取できるので、舌にそれを識別する力がなくてもいいからではないか、といわれています。
■犬が好きな肉の種類は!?
犬は、肉食を中心としながらも雑食で生きていけるように進化してきたといわれています。
では、犬はどんな種類の肉が好きなのでしょうか。
キャサリン・A・ハウプト(Katherine A. Houpt)さんという米コーネル大学獣医学部の先生は、犬の味覚について広範囲な研究を行った人です。
ハウプト先生の実験によれば、一番好きなのは「牛肉」で、以下、「豚肉」「ラム肉」「鶏肉」「馬肉」の順番だそうです。
■犬は「不整脈」でも正常
犬には「洞性不整脈」というのがあります。
これは呼吸に「同期」して、脈が「飛んだり」するものです。
具体的には「吸気時に心拍数が増える」のです。
犬を抱っこして眠ったことのある人はよく知っているでしょうが、この場合の「不整脈」は「正常」です。
●成犬の心拍数
小型犬 70−180回/分
中型犬 70−160回/分
大型犬 60−140回/分
獣医師さんに伺ったところ、「不整脈だ。病気か!」と思っても、上記の正常心拍数の範囲内で、しかも心音が安定している場合には「心配いらない」のだそうです。
■犬の目は2色しか見えない
犬の目はあまりよくありません。
犬の目の水晶体は大変に厚くて、自分の近いところにある対象物にしか焦点が合わないため、視力は大体0.2−0.3ぐらいといわれています。
つまり近視です。
「色を見る」ためには、「錐状体」(すいじょうたい)という、色を識別するための細胞がなければなりません。
人間の場合は3種類の「錐状体」を備えています。
しかし、犬の場合、錐状体自体が非常に少なく(人間の1/10といわれています)、またその錐状体は、「青」と「黄色」に反応する2種類しか持っていないようです。
そのため、色を識別する能力はとても低く、ほぼ2色、そしてその中間色しか分からないのではと考えられます。
■近視だけど夜目は利くよ!
上記のとおり、犬はあまり視力に頼っていませんが、夜目は利きます。
犬はもともと夜行性であるため、暗闇で獲物を捕らえるための仕組みが目に備わっているのです。
網膜の裏にある、一種の反射板がそれです。
「タペタム層」と言います。
このタペタム層は、目のレンズである「水晶体」から入ってきた光を反射して増幅する役割をします。
夜に犬の写真を撮ると、目が光っている場合がありますが、これはタペタム層でカメラのフラッシュが反射しているのです。
ちなみに、このタペタム層を持たない犬もいます。
その代表は、目の青い(虹彩の青い)シベリアン・ハスキーです。
シベリアン・ハスキーはその犬種名のとおり、もともとは北の寒い地方の犬です。
雪で光が反射され、タペタム層がなくても十分に光を取り込めるからだといわれています。
また、犬は目に「瞬膜」(しゅんまく)という特殊な「膜」を持っています。
普段は眼球の下に隠れていますが、目が傷つきそうなときには、眼球を保護するために下からこの膜が現れます。
■ヘレン・ケラーが秋田犬を飼っていた件
あの偉人、ヘレン・ケラーさんが秋田犬愛好者だったのを知っていますか?
1937年(昭和12年)に来日していたヘレンさんに「神風号」という秋田犬が贈られました。
この神風号は、初めてアメリカの土を踏んだ秋田犬です。
かわいそうに神風号はすぐに死んでしまいましたが、1939年(昭和14年)には、ヘレンさんへ「剣山号」(神風号の兄)という犬が贈られました。
ちなみに秋田犬は、2012年7月27日、秋田県知事からロシアのプーチン大統領にも贈られました。
「ゆめ」という女のコです。
お返しにプーチン大統領からは、シベリア猫が贈られました。
(高橋)