子猫の命 みんなで救った
三國の舩木さん 事故から保護
2020年8月10日(月) 日刊県民福井
子猫の命みんなで救った
三国の舩木さん 事故から保護
2020年8月10日(月) 日刊県民福井web
ネットで手術代集まる
車にひかれ今にも消えそうな子猫の命が、数多くの善意で救われた。
近所で子猫を保護した坂井市三国町の舩木未沙樹さん(26)が、高額な手術代をまかなうためインターネットで寄付を募ったところ、予想を超える支援が集まった。
手術は無事成功し“家族”として迎えた舩木さんは「この子を幸せにしてあげたい」と感謝している。
(山口育江)
今年5月4日、舩木さんは夫の渉さん(26)と犬の散歩中に、道路に子猫が横たわっているのを見つけた。
「車にひかれてしまったようで、死んじゃったのかと思ったけれど、よく見たら顔が動いていた」
駆け寄ろうとした直後、目の前でまた車にひかれてしまった子猫。
それでもまだ息があったので、抱きかかえて動物病院に連れて行った。
後ろ足が折れて肺には水がたまる危険な状態で心不全も起こしたが、手術は成功。
その後動かなかった後ろ右脚を切断するなど手術は二度、入院期間は74日にも上った。
退院後、元気な姿を見せるアオくん
青い瞳の子猫を、舩木さんはハワイ語で夜明けという意味を持つ「アオ」と名付け、引き取った。
最初は警戒してケージから出て来なかったが、今ではご飯をやる時、体を触らせてくれるようにまでなった。
舩木さんは水産加工会社に勤めてはいるが「(動物でも手術代は高額で)私の力だけでは限界がある。それでも、目の前の命を助けたかった」。
親に借金をしようとも思ったが、わらにもすがる思いでクラウドファンディングに頼った。
7月2日に募集を始めると、わずか11日で目標額の60万円が集まった。
支援者からは「少しでも力になれれば」「アオくんが元気になりますように」との書き込みや「助けてくれてありがとう」の言葉もあった。
「『本当かな』と信じられない気持ちだった。(寄せられた善意が)素直にうれしかった」と振り返る。
手術代に充て、残りは同じような状況の動物のために寄付する予定だ。
「病院の先生に『舩木さんに会わなければ、救われなかった命だよ』と言われたのが、とても心に残っている。アオ君を助けて良かった」と笑顔を見せている。
舩木さんの手から餌を食べるアオくん