ヒーロー犬は強面ピットブル─自分を嫌っていたおばあさんを救出
2019年12月11日(水) COURRiER
おばあさんを助けてヒーローになった、ピットブルのシンバPhoto :Arjanit Mehana / Instagram
大嫌いだったピットブルが…
「ピットブル」と聞くと、どういうイメージを持つだろうか?
闘犬用の犬種と知られ、筋骨隆々で攻撃的、人に噛みつき重傷を負わせた事件を耳にすることもある。
そんな危険なイメージが先行しているため、従順でフレンドリーな一面もあるのにかかわらず、見かけるとついつい敬遠してしまう人もいるだろう。
スウェーデンのとある街に住むおばあさんも、ピットブルという理由だけで、同じアパートの住人の飼う犬を嫌っていた。
ところが、ある出来事をきっかけに、その考えを改めた──。
ピットブルのシンバは、とてもフレンドリーな性格。
しかし、アパートの住人の大半から警戒されていて、中でも、特に毛嫌いしていたのがこのおばあさんだった。
飼い主が動物愛好家向けメディア「The Dodo」に話したところによれば、ある日のこと、シンバの散歩を終え、階段を上がって部屋に戻ろうとしたところ、突如彼の動きに異変が起きた。
シンバは、おばあさんの部屋の前で立ち止まると、ドアに向かって吠え始めたという。
飼い主がリードを引っ張って止めさせようとしても言うことを聞かなかった。
その時だった。
ドアの向こうから「お願いだから行かないでちょうだい」という、助けを求める弱々しい声が聞こえたのだ。
幸いにも鍵がかかっておらず、ドアを開けると、おばあさんは廊下に倒れていた。
転倒した際に腰を床に強打して骨折、なんとその場から2日も動けずにいたのだ。
もしもシンバが異変に気づかなかったら……その生命に危険が及んでいたかもしれない。
これまで忌み嫌っていた犬に救われたおばあさんは、「私の声を聞き取ってくれてありがとう」と口にした。
飼い主は、自分への感謝かと思って返答をすると、「あなたじゃなくて、そこのお利口なワンちゃんに」と言われたという。
おばあさんのケガは完治していないものの、シンバは一転してアパートのヒーローになった。
今ではご褒美をくれる住人もいるのだとか。
飼い主は、今回の出来事をきっかけに、誤解されがちなピットブルの印象が変わることを願っている。
偏犬(見)がなくなりますように──。
COURRiER Japon