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車の衝突試験に生きた子ブタを使う中国に猛批判

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車の衝突試験に生きた子ブタを使う中国
 米動物保護団体が「野蛮」と猛批判 

2019年11月4日(月) Techinsight

 
衝突試験で子ブタ7匹が死ぬ(画像は『自由時報 2019年11月2日付「殘忍!中國研究員用活豬測汽車撞擊力 7幼豬撞到慘死」(路透資料照)』のスクリーンショット)

動物実験の倫理問題は常々議論を呼んでいるが、このほど自動車の衝突試験に生きた子ブタを使った論文が発表されていたことが分かった。
交通事故における子どもの胸腹部への衝撃を調べ、より良いシートベルトを開発するための実験で、解剖学的に6歳児に近い子ブタが使われたという。
『自由時報』『NOWnews』などが伝えている。

問題になったのは今年1月、『International Journal of Crashworthiness』(国際耐撞性雜誌)に掲載された論文だ。
中国・重慶市にある第三軍医大学の研究員7人が、子ブタを3つのグループに分け、シートベルトを胸腹部に平行に着用するパターン、肩から斜めがけと腹部に着用するパターン、両肩からクロスに着用するパターンの3パターンで、時速約50キロと約30キロのスピードで壁にぶつかった場合の衝撃を調べた。
実験に使われたのは生後6~7か月の子ブタ15匹。
実験により7匹が死に、8匹が怪我をした。
死んだ7匹を調べたところ、衝撃で損傷がもっともはげしかった部位は肺で、脾臓、肝臓と続いたという。
論文には、同様の方法で今後も実験を行う可能性が記されていた。
この動物実験は今月1日、英メディア『インデペンデント』が報じたことで明るみに出た。
これを受けてアメリカの動物保護団体「PETA」(動物の倫理的扱いを求める人々の会)は、自動車企業ではさまざまな先進技術を用いて衝突試験が行われている今日において、この実験方法は「野蛮である」と強く批判。
実験によって動物が死ぬだけでなく「血を流して怪我をし、障害が残る」ことや、実験にあたり子ブタは24時間絶食、6時間は水も与えられなかったことも道徳的ではないとして、同様の実験を止めるよう研究員らに要求した。
また、イギリスの動物実験擁護団体「Understanding Animal Research」のChris Magee氏は「この実験はイギリスの厳格な倫理審査ではおそらく不可能だろう」という。
イギリスで生きたブタを使う実験は、動物の伝染病、ヒトの心血管、神経問題にかかわる研究に限られているそうだ。
「どこの国でも衝突試験にはダミー人形を使っている。生きたブタを使う必要性がわからない」とコメントした。
なお研究員らは、英メディアの取材に対し「実験についてはアメリカの動物実験規定に従い、学術倫理審査も通過した」と話している。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)


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