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多頭飼育崩壊の現場

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猫、猫…ふんの山、共食いも 多頭飼育崩壊の現場 

2019年6月19日(水) 朝日新聞

ペットの犬や猫が増えすぎて、飼い主が対応できなくなる「多頭飼育崩壊」が山形県内でも相次いでいる。
犬や猫の適正飼育の啓発や相談受け付けなどを行う愛護団体「置賜動物愛護推進連絡会」の代表山村牧子さん(48)に同行し、南陽市の現場を取材した。


多頭飼育崩壊の現場。玄関を開けると、強烈な臭いが鼻を突いた=2019年4月13日午前9時9分、山形県南陽市

4月中旬の朝、山村さんと向かったのは60代の男性が一人で暮らしていた同市内の一軒家。
男性は病気で昨秋から入院し、今年3月に亡くなった。
男性の死後、市の職員が訪ねたところ、家の中に猫が24匹もいることが発覚。
山村さんに支援を求める連絡が入った。
山村さんが玄関の扉を開けた瞬間、糞(ふん)尿の強烈な臭いが鼻を突いた。
猫の毛やほこりがこびりついた床の上を歩くと毛が舞い上がる。
8畳ほどの居間で、山村さんがエサを補充すると猫が10匹ほど集まり、身を寄せ合ってエサを食べ始める。
傍らには白骨化した猫の死骸。
共食いしたとみられる。
台所と居間を仕切る引き戸の木枠は猫が爪を研ぐため、すっかり細くなっていた。
居間の窓際にはふんが20センチほど積み上がる。
その上で差し込む光を求める猫たちが日なたぼっこをしていた。
「猫は本来、きれい好きな動物なんだけどね」。
山村さんはそうつぶやいた。 

【写真】窓際の積み上がったふんの上で日なたぼっこをする猫=2019年4月13日午前9時59分、山形県南陽市


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