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猫50匹以上殺害の容疑者の罰則は?

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100匹殺しても器物損壊…猫50匹以上殺害の容疑者
 罰則はないのか?小川泰平氏が解説 

2019年6月17日6/17(月) ディリー


猫は家族の一員だが、法律上は“器物”の扱いになってしまう(写真はイメージ)

飼い猫を盗んだ窃盗容疑で逮捕された富山市の無職・新村健治容疑者(52)が、目撃情報を元に訪ねてきた動物保護グループらに対して「50匹から100匹の猫を殺した」と告白した動画が報じられて衝撃が走った。
元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は17日、デイリースポーツの取材に対し、今月12日の参院本会議で動物愛護法の改正が可決、成立したことを受け、「動物虐待には罰則が強化されたが、まだまだ納得のいくものではないとの声も多い」と解説した。

富山県警によると、新村容疑者は5月19日に富山・射水市内の路上で飼い猫1匹を盗んだ疑い。
逮捕前、自宅でスタッフらの問いに対し、1年以上前から猫を連れ去って自宅に監禁し、殺害の手口として「お湯をかけた」と明かした。
「苦労して捕まえたので、すぐ死んだら面白くない。(苦しんで)ニャーニャー鳴いとるのを聞いて楽しんどった」と語り、動機を問われて「ストレス発散」と返答。
スマホには「猫を殴る」「猫蹴る」といった検索履歴があった。
小川氏は「警察はこの容疑者から数回にわたり任意で事情を聴いていた。発表で容疑者の名前を出したのは、手袋をし、遠方まで出かけていた計画性など、また事情聴取の結果、心神喪失状態ではないと判断したからでしょう」と解説した。
今後、容疑者はどのような罪で起訴されるのだろうか。
小川氏は「猫の転売が目的なら窃盗で起訴されると思いますが、目的(殺傷)が違うので、動物愛護法違反または器物損壊罪になる可能性が高い」と解説。
猫などペットは飼い主にとってかけがえのない“家族”だが、法律上は“物”とみなされる。
飼い主にとっては“拉致”であっても窃盗罪であり、殺傷されても器物損壊罪(3年以下の懲役または30万円以下の罰金)なのである。
小川氏は「日本の場合、人間を2人以上殺すと極刑(死刑)が待っていると言われますが、動物の場合、50匹だろうが100匹だろうが、法律の限度の上はいかず、初犯なら執行猶予の可能性が高い」と説明。同氏は「動物愛護法には『殺傷』という項目があります。これまで動物を殺傷した場合は『2年以下の懲役または200万円以下の罰金』でしたが、今回の改正で『5年以下の懲役または500万円以下の罰金』に引き上げられた。現状で一番重い。飼い主さんからすれば、それでも足りないと思いますが…」と同法の1日も早い施行を願った。
同法改正について、小川氏は「原則、動物虐待に関しては公布から1年以内に施行するが、マイクロチップの義務化は3年以内、『56日』規制(生後56日以下の犬猫の販売禁止)は2年以内の施行となる」と補足した。
SNSでは「『物』ではなく『命ある家族』。罰金や執行猶予で片付ける話じゃない」など、法律に違和感を示す意見も。
米カリフォルニア州では2015年に21匹の猫を虐待死させた男に懲役16年の実刑判決が下された。
国や地域によって、大きな違いがある。
小川氏は「子猫や子犬といった“弱者”を狙う者は、動物からエスカレートして人間の子供に危害を加えることもありうる」と、さらなる“被害”の可能性にも注意を促した。


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