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推薦書籍「犬が殺される〜動物実験の闇を探る」

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推薦書籍「犬が殺される〜動物実験の闇を探る」

杉本彩さんのブログより

記者の森映子さん渾身のルポルタージュ
「犬が殺される〜動物実験の闇を探る」が出版され先日、出版記念講演会に行ってまいりました。



この本の内容は、すべての国民が知るべきものだと思います。
なぜなら、私たちの生活のほとんどが動物実験により成り立っていると言っても過言ではなく、誰一人例外なく、すべての人がその受益者だからです。
医療や薬はもちろんのこと、生活用品に使われる化学物質、食品添加物、化学調味料、農薬、サプリメントや化粧品の成分、特定保健用食品(トクホ)、医薬部外品、他様々なジャンルの身の回りにあるものが動物実験により使用を許可されていて、それによって私たち人間の生命や健康が守られていることは否定しようのない事実です。
実験に使用されている動物は、犬だけではなく、猿、牛、うさぎ、マウス、ラット、猫、と様々です。
特に人や動物の医療は、その進歩や技術の習得には、動物実験は欠かせないものであることはよく理解しています。
けれど、納得いかないのは、動物実験に関する法律の改正で関係団体の抵抗によってずっと法規制を免れてきたことです。
実験動物は、動物愛護管理法の対象から除外され、その存在の実態を正確に把握することすらできません。
EUをはじめ、動物福祉を重じている他の国では考えられないことなのです。
日本とは違い、実験動物の取り扱いに対し、厳しい管理監督機関が法律の上に機能しています。
そんな海外でさえ、時には、倫理的にとても受け入れることのできない拷問のような実験が行われ、撮影された動画とともに内部告発されるケースもあります。
ましてや実験動物を動物愛護法の対象から除外しているこの国で動物が適正に扱われ「3R」がきちんと守られているとはとても思えません。
3R」とは、、、
(Reduction )削減・・・本当にその実験が必要なのか
(Refinement )苦痛の軽減・・・動物は恐怖も不安も痛みも感じるのでそれらを軽減するケアが必要である
(Replacement )代替・・・動物を使わず実験する技術の開発や研究が進行中であり、可能なものはこれを用いる
3Rは、1999年ボロニアの世界会議で採択したボロニア宣言が世界基準となり、各国は動物実験への法規制を行っています。
動物実験は、残酷で非倫理的だという非難に加えて動物と人間の間には種差があるので、動物実験の結果は人間への影響について、必ずしも正確な結論を導き出すことができない可能性があるという、科学的な面からの問題があることも事実のようです。
今回、「犬が殺される〜動物実験の闇を探る」を読ませていただき言葉を失うほどショックな事実も新たに知りました。
私は、動物実験を告発する悲惨な動画の数々を見ていますからある程度は想像できていましたが、それでもやはり驚くべき事実が多々ありました。
現在、動物愛護法改正の検討や協議も大詰めに入り昨日も当協会Evaは会議に招かれましたので、Evaのスタッフが出席してきましたが、動物実験の関連団体は、どこまでもこの法規制に抵抗する構えのようです。
動物実験の法規制を訴える動物愛護団体は、私たちEvaも同じくすべての動物実験を否定しているわけでも、廃止を訴えてるわけでもありません。
その必要性と意義を充分に理解した上で、実験動物を心身ともに感受性ある存在と認め、その命の尊厳を軽視することなく世界基準である「3R」を法律化し、それを守ってほしいと訴えているだけなのです。
そして、実験動物を供給する企業、また実験を行なう大学や企業、その関連施設の登録を義務化してほしいと訴えているだけなのです。
施設の登録どころか届出の義務すらないなんて、本当におかしすぎます。
皆さんの住んでいる地域で、どんな動物がどんな薬物を使い実験されているか、どんな実験用動物が生産されているか、正確に国や地域の行政は把握できていないのです。
ペット業界ですら、第1種動物取扱業と施設の登録が義務なのです。
そういった点からも、実験動物に関する業界の闇の深さはペット業界の比ではないと言えるのかもしれません。
実験動物関連の業界団体が、昨日も議員連盟の会議にて3Rは独自でしっかりと配慮されているという弁を述べていたようですが現在、それを監査できる信頼性ある機関は存在しません。
その実験や関係者と利害関係のある人間が監査しているに過ぎず何をどう説明しようが、自己申告の域を越えることはできません。
利害のない者による本当の監査ができる、第三者機関が必要でこれは世界の常識なのです。
もちろん日本の中でも、独自で3Rに取り組む大学や企業がないわけではないようですが、やはり個別の倫理観に委ねられているのではその持続性の危うさを感じてしまいます。
人間というものは、何かを達成したい、得たい、という強い欲求を持つと時には倫理を踏み外し暴走しがちな生き物です。
業界は、きちんとやっていると主張されるなら、当たり前の「3R」を法律に明記することに抵抗すべきではありません。
それを法律化して実験の妨げになることなど何一つなく動物福祉に配慮することは、実験において、むしろ有効な信頼性ある結果を導くことに繋がっているのです。
とにかく、言いたいこと、知ってほしいことが山のようにあります。
ここでは書ききれないので、是非、本を読んでください。
動物実験の実態とその深刻な問題から目を背けないでほしいのです。
著者である記者の森映子さんは最後にこうおっしゃっています。
「動物実験に関わりのない人間は皆無である。実験動物の加害者である私たちにできることは何か。それは問題意識を持つことではないだろうか。『化学医学の発展のため、人間のため』という誰も反対できないスローガンの前に思考停止していないか。代替法がなく必要な動物実験もあるだろうが、その一方で金儲けのため出世と名誉のために無茶なこと、無駄なことをやっている面があるのではないか、あるいは漫然と前列踏襲でやっていないか。市民が、納税者、消費者として、行政や研究施設、企業がすることを注視し、動物実験を監視し、実態の改善、不正が起きない仕組み作り規制強化を求めていく。外部の目が入らない施設内で何が起こっていても動物は声を上げられないのだから。」
本当にその通りだと思います。
「犬が殺される 〜 動物実験の闇を探る」是非お読みいただき、共に考えていただけることを願っています。
大変ガードの固い大学、企業、関連施設で、ときに取材拒否に直面しながら可能なかぎり得た貴重な実態が記されています。
私たちがその実態を踏まえ今後どうしていくことが必要なのかその具体的なことも書かれています。
厚労省や大学や関連企業という巨大な力に物申すこの本の出版はとても大変であったと察します。
森さんの、記者としての使命感と勇気に、心からの敬意を表したいと思います。
そして、この貴重な著書の出版を決断された同時代社さんにも感謝いたします。
私は、動物実験に関する当たり前の仕組み作りと規制強化が一刻も早く前に進み、日本が、動物に福祉を認める文化的な国に成熟することを願ってやみません。
森さんの声、私たち動物福祉を訴える団体の声を後押ししてくださるのは世論です。
まずは是非とも読んでいただけますように、、、。

 
同時代社 本の紹介 http://www.doujidaisya.co.jp/book/b437228.html

私たち全員が知らなければならないことですね。
日本の動物福祉は遅れていますが、特に動物実験については、ほぼ無法状態といってもいい状況です。先進国として恥じない、当たり前の仕組み作りと規制強化が進んでほしいと思います。
また、代替法の推進や不必要な実験の廃止、アメリカのように実験犬の譲渡なども検討してほしいところです。


PEACEさん

以下、2015年のALIVE-newsより(記事は動物の解放さんブログより)
http://maypat01.blog.fc2.com/blog-entry-196.html 

動物実験の廃止を求めるヨーロッパ市民が3月に117万名の署名をEUへ提出した(※)ことを受け、欧州委員会(EUの法案提出等を担う)は、提出された動物実験廃止提案について審議し、6月に結果を報告書にまとめ、公表しました。
報告書によれば、委員会は動物実験が人や動物の健康や環境を守るために重要で、廃止は時期尚早であるとして、2020年までに動物実験を段階的に廃止するための法規制の枠組みを作ることを求める市民の提案をしりぞけました。
しかしながら報告書には、「EUは動物実験を段階的に廃止すべきという市民の考えを共有しており、動物実験の段階的廃止はEUの法規制の最終目標である。」との明言が繰り返し記述されています。
EUは1986年に定めた実験動物保護に関するEU指令を2010年に改正し、実験施設や実験者、実験計画の許認可等を含む、世界で最も厳しい法規制を採用しています。
それでもなおかつ最終目標は動物実験の廃止にあることを明言し、目標に向かって努力することを宣言しているEUに比べ、日本では未だに動物実験施設の届出制すら認めず、行政も市民も動物実験の実態すら把握できないというお粗末な状態が続いています。

 
実験犬シロのねがい (ハンカチぶんこ)
http://urx.nu/hIfz


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