ピットブルに襲われ4歳児が重傷も、
飼い主「悪いのは子供」謝罪の言葉なく(英)
2019年3月26日(火) Techinsight
ピットブルに襲われる前の女児とその母親
(画像は『Mirror 2019年3月22日付「Horrific injuries of girl, 4, after crazed pitbull savaged her ‘like a ragdoll’」(Image: Family handout / SWNS.com)』のスクリーンショット)
突発的な攻撃性を持つことで知られるピットブル。
これまでにも人を襲う事件が報じられているが、このほどイギリスでピットブルが当時4歳の女児を襲った事件の裁判が行われ、飼い主には執行猶予付き判決と生涯にわたり犬の飼育を禁じる命令が下された。『Mirror』『Metro』などが伝えている。
2018年7月、ランカシャー州プレストンに住む当時4歳だったティリー・ヴェイジーちゃんは外で友達と遊んでいた時、近所に暮らすドーン・ホルト(41歳)の飼い犬であるピットブル“シーザー”(12歳)に突然襲われて重傷を負った。
ティリーちゃんは涙管が引き裂かれ、目の周りと頭上部に深刻な怪我をし、頭蓋骨を骨折した。
ティリーちゃんの叫び声を聞き、犬に襲われている光景を目撃したウォーレン・ハドフィールドさん(31歳)は、当時の様子をこのように語る。
「犬は女児をまるで人形のように鷲掴みにして襲っていました。犬の攻撃はひどく、女児は血まみれになっていて顔が見えないほどでした。」
事態を知ったティリーちゃんの母親レアンさん(31歳)は血だらけの娘を見て「絵具でも被ったのかしら」と思ったものの、それが大量の血であることを悟ると恐怖で身動きができなくなってしまったという。
その後、すぐに救急車を呼ぶも到着まで待っていられず、レアンさんは自分の車でティリーちゃんを病院へ運んだ。
深刻な怪我のため、ティリーちゃんには9時間にもおよぶ緊急手術が行われ、その後も2度の手術がなされた。
今後も複数の手術を受けなければならないティリーちゃんには、傷以上に心にも大きなダメージが与えられてしまったようだ。
しかし飼い主のドーンは、一度もティリーちゃんや家族に謝罪の言葉を口にすることはなかったとレアンさんは話す。
「娘はいつも朗らかな子でしたが、この事故以来、自分に自信を失くしてしまったようです。飼い主からは謝罪の言葉が全くありません。たとえ一言でも謝罪してもらえれば、こちらの気持ちもまた違ってくるというものです。ですが、あの飼い主は娘が悪いと言ったんです。」
ドーンは、事故後にFacebookで「うちの犬は子供を噛んではいない。子供が近付きすぎるから悪いのであって、犬は子供をどかせようとして爪で引っ掻いただけ。子供の頭蓋骨骨折は、子供が木の切り株に頭をぶつけて生じたもの。犬のせいではない。子供が悪い」と綴っていたようだ。
しかしこの投稿を見た多くのユーザーから非難の声があがり、ドーンは脅迫メッセージを受け取るようになったという。
3月21日、プレストンで行われた裁判では、弁護人が「依頼人は反省している」と擁護したが、法廷でも被害者家族に謝罪の言葉を発することもなく、被害者を責める態度を崩さなかったドーンに対し、サイモン・ニウエル判事は「被害者の傷は、犬が爪で引っ掻いたぐらいでは到底できないものだ。謝罪することもなく、被害者の責任であると発言する無責任な言い訳は甚だしい。ほどんどの子供は、犬を見れば触れて遊びたいという無邪気さしかなく、限られた知識や経験しかない子供が、不適切な方法で犬に接してしまうこともある。それゆえ、小さな子供と犬を放置したままにするのではなく、飼い主がそばにいるべきだった」と厳しく糾弾した。
結果として実刑を免れたものの、ドーンには18か月の執行猶予付き3か月の有罪判決と、140時間の無収入労働および生涯にわたり犬の飼育禁止が命じられた。
なお、犬については判事が安楽死処分を言い渡した。
レアンさんは今回、メディアにティリーちゃんが襲われた直後の痛々しい写真を複数公開し、コントロールのきかない犬によるリスクの高さと飼い主が持たねばならない飼育責任を訴えている。
このニュースを知った人からは、「飼い主も犬同様、安楽死処分でいい」「飼い主もそうだけど、親も小さな子供から目を離したらダメ。ちゃんと見ていなきゃ」「謝罪の言葉もないって、本当に無責任な飼い主」「イギリスでピットブルは飼育禁止なのに、なんでまだ飼う奴がいるんだ!」「犬の躾をしていない飼い主が一番悪い。犬は安楽死なのになぜ飼い主は実刑にならないの!?」「酷い怪我をさせられてかわいそうに。ティリーちゃんが今後も順調に回復しますように」といった声があがっている。
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)