事故死した主人の帰り待つ?
犬が現場の道路脇に80日間、内モンゴル
2018年11月14日(水) CNS 発信地:中国
【11月14日 CNS】
中国・内モンゴル自治区フフホト市のタクシー運転手、郭新華さんは、「もう三か月だよ。あいつはいつもあそこから離れないんだ。雨が降っても、風が吹いても。本当にすごいやつだ」と語る。
この間、フフホト市錫林郭勒南路ではある犬がすっかり有名になった。
多くの車が行き来する道路上で80日余りを過ごし、自動車事故で亡くなった女主人を待っているように見えるのだ。
道路の上の犬(2018年11月11日撮影)。(c)CNS/張林虎
11日夜、現場に行ってみると、犬は道路の真ん中の柵のところで体を丸めていた。
横には誰かがあげた食べ物が置いてあった。
初冬の寒さに犬は体を震わせていたが、人が近付くと警戒して立ち上がった。
「いつもこうさ。近くに寄ろうとすると離れる。人がこの場所から離れれば、また戻ってくる」と郭さんは言う。
郭さんは、夜勤専門のタクシー運転手。
今年の8月ごろから犬を見かけるようになり、いつも道路の真ん中で主人の帰りを待っている、という。
「8月21日の朝早く、ここで交通事故が起こった。女性が犠牲となり、即死だったらしい。それ以来、犬がここに現れるようになったんだ。どんな天気でも、どんなに車が多くとも、ずっとここにいる。主人の帰りを待っているようだ」
犬が道端で待っている画像がインターネットに流れると、多くのネットユーザーが、これこそ実世界の中の「忠犬ハチ公」ではないか、と話題になった。
中には、「主人はもう帰って来られないのだから、これ以上待たずに、かわいがってくれる次の主人と会えるように祈る」と書き込むネットユーザーもいた。
ボランティアの徐小剛さんは記者に対し「ボランティア団体で犬の主人の家族と連絡を取ろうとしている。もし見つからない場合は、犬が安心して暮らせるようにしてあげるつもりだ」と語った。
※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。
新しい家族と幸せに 道端で80日間たたずんでいた犬に新しい飼い主
2018年11月16日(金) CNS 発信地:中国
内モンゴル自治区フフホト市の愛犬家、張磊(仮名)さんは15日、「待っているのが誰であろうと、そこを守り続けていることに感動した。ぜひ引き取らせてもらい、家族として温かく受け入れたい」と語った。
車が行きかう路上の一角を守り続ける犬(2018年11月11日撮影)
この数日、連日のように、フフホト市の道路の一角を守る犬がインターネット上で評判となっている。
中国新聞社で「事故死した主人の帰り待つ?犬が現場の道路脇に80日間」と題するニュースが報道されると、多くの愛犬家が犬を引き取りたいと申し出ていた。
あるネットユーザーは「けなげなわんこに涙が止まらなかった。愛してくれる飼い主が現れることを祈りたい」。
また別のネットユーザーは「動物にも心があるということね。命は大切にしないと」と書き込んだ。
ボランティアの徐小鋼さんは、この間、犬の動向を見守ってきた。
「寒くなってきており、これ以上路上に居続けることは望ましくない。犬だけでなく車にとってもリスクだ」と語る。
徐さんは14日夜、網などを準備し、他のボランティアらと共に犬を保護しようと試みたが、犬の警戒心が強く、色々な方法を試したがうまくいかなかった。
15日になり、フフホト市公安局犬類検査所は、犬と人と車の安全を考慮し、玉泉区公安分局治安大隊と共同で犬を保護した。
犬類検査所の警官は、取材に対し「ボランティアの方々が交通量の多い路上で犬を保護しようとすることは、安全面で問題があるので、警察が専門の用具を使って行うこととした。保護完了後、愛犬家の張磊さんが規定のプロセスに基づき引き取った」と語った。
徐さんは「動物にも感情がある。感謝する心もある。市民の皆さんは、動物を嫌うのは自由だが、動物を傷つけることだけは止めてほしい」という。
※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。
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動画:事故死した主人の帰り待つ? 犬が現場の道路脇に80日間、内モンゴル