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闇に葬られるペット増えている

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「闇に葬られるペット増えている」
「虐待称賛の投稿が掲示板に」 杉本さんら訴え

2018年10月2日(火) 弁護士ドットコム

動物愛護について考えるシンポジウムが9月30日、埼玉県朝霞市で開かれ、動物愛護活動に取り組む女優の浅田美代子さんや杉本彩さんらが登壇した。
秋の臨時国会で予定されている動物愛護法改正に向けて、浅田さんはペット業者に関する「数値規制」の導入を、杉本さんは動物虐待の「厳罰化」をそれぞれうったえた。
シンポ主催は、同市のNPO法人「にゃいるどはーと」(代表:東江ルミ子)で、約500人の一般参加者が聞き入った。


杉本彩さん

●浅田さん「本当に地獄のような環境にいる」
浅田さんはシンポで、悪質なペット繁殖業者(ブリーダー)の問題点を指摘した。
「ペットショップに陳列されている犬や猫の親は、本当に地獄のような環境にいます」「(行政による)殺処分数は減っていますが、それは一生懸命に保護して、里親を探す努力をしているからです。殺処分数に含まれず、闇に葬られている子が増えています」と述べた。
劣悪な環境のもと、人気の種の犬が、何度も繁殖させられているところもある。
しかし、現行法では、繁殖回数や施設に関する数値が、細かく規制されていないために、悪質な繁殖業者を「取り締まることができていない」という。
浅田さんは「今回の法改正では、かならず『数値規制』を入れてほしい」と力説した。
また、浅田さんは、折れ曲がった小さな耳で知られる猫種、スコティッシュフォールドの遺伝的な軟骨異常(遺伝性骨軟骨異形成)をあげながら、「ペットショップで猫を見かけたら、単に『かわいい』じゃなくて、その子の親はどんな環境にいるのだろうかと、思いとどまってほしい」と話した。

●杉本さん「軽い刑罰では増長させてしまう」
一方、杉本さんは、動物虐待をテーマに話した。
殴る・蹴る・熱湯をかけるような行為や、病気になっても放置したり、劣悪な環境に置いたりする「ネグレクト」に触れて、「動物にとって、肉体的・精神的にきつい状態です。その動物の立場になって、想像力を働かせることがすごく大切だと思います」と切り出した。
昨年、埼玉県の元税理士が、野良猫に熱湯をかけたり、バーナーであぶったりするなど、虐待を加えて、13匹を殺傷した事件があった。
厳罰をもとめる声があがったが、刑事裁判の結果、執行猶予付きの有罪判決(懲役1年10カ月・執行猶予4年)となっている。
杉本さんは「動物虐待が適正に罰せられる社会をつくっていかないといけない」と述べた。
さらに、杉本さんは、ネット掲示板「5ちゃんねる」(旧2ちゃんねる)の「生き物苦手板」の問題にも踏み込んだ。
この掲示板では、「黒ムツ」(黒いムツゴロウ)と呼ばれる動物虐待を趣味とする人たちによって、虐待方法や残虐性を称賛・挑発するような書き込みがおこなわれている。
杉本さんは「掲示板があることで、負の連鎖が起きていることは間違いありません。動物虐待は、人目のつかない密室でおこなわれています。(現行法や運用では)犯罪をおかしても実刑になりません。軽い刑罰では増長させてしまいます」「動物虐待を見逃さない、許さない、救いたいという気持ちが社会を変えていく」と強調していた。
弁護士ドットコムニュース編集部


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