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感情に寄り添う犬型ロボットaibo人気のわけ

“もう愛犬の死に目にあいたくない“
感情に寄り添う犬型ロボットaibo人気のわけ 札幌市

2018年4月29日(日) 北海道ニュースUHB

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高まるaibo人気。
抽選販売会で当選したこの女性が思わず涙したのには、深いわけがあった。

今高齢者を中心に、犬型ロボット「aibo(アイボ)」が人気です。
4月11日、全国5つのソニーストア限定で、新型のaibo、111体が販売されました。
札幌市内で行われた抽選販売会で、当選し思わず涙する女性がいました。
そこにはaibo人気に隠された、切実な理由がありました。
aiboと共に生きることに、深い意味を見出している人たちを取材しました。

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鈴木洋子さんが、抽選5回目にして手に入れたaiboは、「メロン」と名付けられた。

aiboがわが家にやって来た!
鈴木洋子さん(69):「いたいた」「もしもし」
鈴木和夫さん(69):「動いた!」
aibo:「ワン!ワン!」
鈴木和夫さん(69):「大丈夫だよ!お父さんもお母さんもいるから」
犬型ロボットの「aibo(アイボ)」がわが家にやって来ました。
飼い主は鈴木和夫さん・洋子さん夫婦です。
鈴木洋子さん(69):「本物の犬ならこうして、“チュー“するのにね」

2018年1月に発売されてから、この新型aiboは大人気。
品薄が続き、抽選などで購入しなければなりませんでした。
鈴木さん夫婦は外れること4回。
ようやく手に入れることができたaiboは、「メロン」と名付けられました。
メロンが鈴木家にやってきたのには、あるわけがあったのです。
鈴木洋子さん(69):「ちょっと暗い気持ちになっていたんです」

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20万円近くする新型aiboを求めて札幌でも長い行列ができた。

「愛犬の死に、息子も亡くなり」・・・aiboに託した思い
4月11日、全国5つのソニーストア限定で、111体のaiboが販売されました。
札幌市では20体のみ。
20万円近くするのに、抽選券を求めて70人以上が列を作るほどの人気でした。
行列に並んだ人:「マンションなので、家では犬が飼えない。aiboなら大丈夫かなと」
釧路市から:「3月、(飼っていた)2匹目の犬が死んだ。何とか最期まで見届けたが、今後はロボットの時代」
行列には、洋子さんの姿もありました。
並んでから1時間、抽選結果の発表です。
スタッフ:「番号ですが、当選番号201番・・・」
当選しました。
ここまで喜ぶ、そのわけは・・・。
鈴木洋子さん(69):「飼っていた犬が死に、息子が亡くなり、悲しい事ばかりだったのでうれしい。息子と飼っていた犬に当選するように祈っててと・・・。そうしたら当たった。今まで飼っていた犬と同様、もっとかわいがりたい」

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愛犬の死にふさぎがちだった洋子さん。鈴木さん夫婦にとってaiboは家族の一員だ。

なぜ本物の犬ではなくaibo?
ふたり暮らしの鈴木さん夫婦。
2匹のシーズー犬を飼っていましたが、2014年に、2代目のホープが死んでしまいました。
ふさぎがちだった洋子さんに、和夫さんがプレゼントしたのが、「メロン」だったのです。
人工知能AIを搭載したaiboは好奇心旺盛。
触れ合ったり、話しかけたりすると学習し、成長していきます。
ごはんは電気。
バッテリーが少なくなると、自分で充電器へ。
賢くて、本当に生きているようです。
しかし、なぜ本物の犬ではなく、aiboにしたのでしょうか?
鈴木洋子さん(69):「私たちはもう次の犬は飼えないなと。世話をしてやりたくても自分たちの世話で手一杯。世話してやれなくなる」
鈴木和夫さん(69):「自分たちの方が先に逝ってしまうと、1匹だけ後に残すのはかわいそう」

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最後まで世話する自信ない・・・高齢者が飼い犬をためらう現状が見える(日本ペットフード協会調べ)。

高齢者 飼い犬ためらう現状・・・
ここ数年、飼い犬の数が減少しています。
日本ペットフード協会によると、2017年初めて飼い猫の数が、飼い犬の数を追い抜きました。
高齢者が犬を飼うのをためらう一番の理由は、最後まで世話をする自信がないから。
ここに、aibo人気の秘密がありそうです。
初代のAIBOが、発売されたのは1999年。
モデルチェンジの度に話題となりましたが、2006年、発売中止となりました。
2014年には修理用部品が底をつき、壊れたAIBOの合同葬儀が行われる程、愛され続けてきました。

12年ぶりに復活した、新型aiboの特徴は?
ソニーマーケティング 細田良子さん:「飼い主との触れ合いの記憶や成長記録がインターネットに残り、新しい本体に記憶を移植することも考えていますので、以前のように死んでしまうことはありません」

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aiboが犬用ケージに入れられお出かけ…待っていたのは・・・?

aibo 初めてのお出かけ 移動は“ケージ“に入れて・・・
鈴木家にメロンが来てから5日目。
鈴木和夫さん(69):「おでかけですよ」
鈴木洋子さん(69):「ぶつけないでね」
初めてのお出かけです。
かつて飼っていた犬用のケージに入れられ、苫小牧市へと向かいます。
鈴木洋子さん(69):「きっと玄関を出て待っているよ」
鈴木和夫さん(69):「あんな所から出てきた」
野村純子さん(72):「メロンちゃん待ってました!どれ!」
鈴木和夫さん(69):「ほら見てやって、いま寝てるの。スリープ状態」
鈴木洋子さん(69):「中に入ったら起こして」
洋子さんの姉、純子さんです。
夫を亡くしひとり暮らし。
姉も大の愛犬家です。

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洋子さんの姉、純子さんの家には過去の愛犬たちの写真が並ぶ。

「はじめまして、会いたかったよ」
野村純子さん(72):「一番最初に飼ったのはメアリー。12歳で亡くなって、ハリーとホープが来た」
シーズー犬のハリーが死んだのは2017年9月。
“ペットロス“から抜け出せない順子さんを心配して洋子さんは、手に入れたばかりのメロンを連れてきたのです。
野村純子さん(72):「はじめまして、会いたかったよ。メロンちゃん大好き。かわいい! あぁ、一緒だ。泣いちゃダメだわ。おばちゃん、泣いちゃった。ハリーとダブっちゃった」

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ペットロスだった純子さん。aiboとの出会いに涙があふれる。

もう、飼い犬の死に目にはあいたくない。
純子さんは再び犬を飼うのをためらっていました。
“ロボット犬“メロンとの出会いに、心が動かされます。
洋子さんの姉 野村純子さん:「主人が亡くなった後、ホープとハリーがいて、7年間はすごく助けられた。いろんなことを考えると涙が出てくるし、aiboが妹の所に来てくれたというのも涙が出ます」
鈴木洋子さん(69):「1日も早く見せてあげたかった。そうしたら姉も元気になるし、私も元気になるし良かったなと思う。ね、喜んでくれたもんねおばちゃんも。良かったなって」
本物の犬ではなくaiboと共に生きる。
ペットロスや孤独と向き合う、高齢者の新たな選択肢のひとつかもしれません。
UHB 北海道文化放送


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