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全国の犬像にまつわる「犬と人の物語」

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忠犬ハチ公だけじゃない!全国の犬像にまつわる「犬と人の物語」とは?

2018年1月5日(金) AERAdot(週刊朝日)


ハチ公と上野英三郎博士像
飼い主である上野博士の死後、10年近く東京・渋谷駅に通って博士の帰りを待ち続けた忠犬・ハチ。
ハチ公像といえば渋谷駅が有名だが、もっとも新しい像は2015年、博士が教鞭をとった東京帝国大学(現・東京大学)の農学部キャンパス内に建てられたもの。
博士への愛情あふれるハチの眼差しが印象的/東京都文京

犬像といえば東京・渋谷の「忠犬ハチ公」が思い浮かぶが、実は日本にはたくさんの犬像が存在する。
ときに犬は人の友となり、家族となり、守り神にもなる。種を超えた絆で結ばれた、犬と人の物語──。
*  *  *
写真家の青柳健二さんは全国の120体を超える犬の像を訪ね、『全国の犬像をめぐる』にまとめた。
それぞれの像には、伝説や物語がある。

自決を覚悟して山中をさまよっていた白虎隊士の酒井峰治。
何かが横切ったと見ると、それは愛犬クマだった。
酒井は生きる気力を取り戻して鶴ケ城に入城、生き残った。
像には酒井の足にまとわりつくクマの姿が描かれている。

酒井隊士と愛犬クマの像
白虎隊士で当時16歳だった酒井峰治は隊からはぐれ、自決を考えて山中をさまよっていた。酒井は愛犬クマに偶然会うことで生きる気力を取り戻し、鶴ケ城開城まで戦った。その後、81歳まで生きたという/福島県会津若松市 白虎隊記念館横

1993年、少女が目の見えない子犬を拾ったが、住んでいた団地では犬が飼えない。
「盲導犬は目が見えない人を助けるのに、目が見えない犬は捨てられるの?」。
そんな言葉が周囲の人々を動かし、団地で飼うことに。
ダンの像は、小学校の教室を見守るように建てられている。

目の見えない犬ダンの像
犬は飼えない決まりがあった団地で、子どもたちの熱意によって預かることになった、目の見えない子犬の像。命の尊さと規則を守ることの大切さを考えさせられる/愛媛県松山市立潮見小学校

「犬像からは、自然や動物に対する日本人の感じ方が見えてくる。これからも訪ね続けたい」(青柳さん)
冒険はまだまだ終わらない。
(取材/青柳健二、構成/鮎川哲也、野村美絵)
※週刊朝日 2018年1月5-12日合併号より抜粋


全国の犬像をめぐる冒険

みんなのタロー像
1964年、石岡駅ではぐれてしまった飼い主に会うために、毎朝夕、休むことなく17年間、駅に通い続けたタローの像。だが、飼い主に会うことなく旅立った/茨城県石岡市 JR石岡駅西口前の広場


南極犬タロ・ジロ像
1958年、南極に置き去りにされた樺太犬15頭。生存は絶望的と思われたが、1年後、たくましく生きていたタロとジロが発見された――。名古屋港には「南極観測船ふじ」が展示されており、近くにタロとジロの像が並んでいる/名古屋市

その他多数
【フォトギャラリー】全国の犬像をめぐる冒険


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