犬の体の熱を冷ますときに効果的な冷やしポイント
2017年8月25日(金) わんちゃんホンポ
犬が暑いと訴えたらどうしますか?
私たち人間は、汗をかくことで体の熱を放出します。
ですが犬は、足の裏にほんの少しの汗をかくだけです。
その代わりに、ハアハアと舌を出して唾液を蒸発させ、その気化熱によって体温を下げています。
この生理現象を「パンティング」といいます。
パンティングは、人間の言葉を話せない犬が「暑い」と訴える重要なサインです。ハアハア荒い呼吸をし始めたら、水を飲ませたり、涼しいところへ連れて行ったりしてあげましょう。
こんなときはご注意を
犬がパンティングをし始めたら、涼しいところへ連れて行き、水を飲ませます。
すると、普通だんだんと治まってきます。
健康な犬の呼吸は、1分間に15~30回といわれています。
それよりも極端に呼吸数が多く、普段と比べて様子がおかしいと感じたら、すぐに病院に連れて行きましょう。
犬の体を冷ましてあげましょう
もし、愛犬が「暑い」「苦しい」と訴えてきたら体を冷やしてあげましょう。
そのとき、どこを冷やせば効果的なのかまとめました。
お医者さんに診てもらうまでの応急処置としても使えるので、覚えておいて損はないですよ^^
首すじ
まずは、首すじを冷やします。
首には太い血管が通っているので、効率的に体温を下げることができます。
最近、クールバンダナを巻く犬を見かけることが増えてきました。
クールバンダナを巻く場合は、首の前側に巻いてあげましょう。
人は、首の後ろ側に温度の変化を感じる器官があるため後ろに巻きますが、犬は前側に巻くのが効果的です。
熱中症など状態が悪いときは、顔にはかからないように注意して、首すじから体全体にしっかり水をかけます。この場合、氷水ではなく水道水にしましょう。
脇の下
リンパが多く集まる脇の下を冷やしましょう。
このとき保冷剤や氷を直接当てるのではなく、タオルでくるんでから脇の下に当ててください。
直接当ててしまうと、血管が収縮してしまうので注意が必要です。
後ろ足の付け根
足の付け根、中でも後ろ足の付け根を冷やします。
犬がパンティングをやめるか、呼吸が落ち着くまで冷やし続けてください。
とくに熱中症に注意が必要な犬
犬の体の熱を冷ます効果的な箇所とともに、とくに熱中症に注意が必要な犬も覚えておきたいのでご紹介します。
寒い国が原産の犬
寒い国が原産の犬は、寒い地方に適した体になっています。
見た目でわかるように、ぶ厚い被毛で覆われているため暑さにはかなり弱いです。
✔秋田犬
✔シベリアンハスキー
✔チャウチャウ など
鼻が短い犬(短頭種)
鼻が短い犬種は、呼吸がうまくできていないことが多いそうです。
その上、口が小さくパンティングがうまくできない傾向にあります。
短頭種は、呼吸器の構造が他の犬種と違うため、暑さには十分注意を払ってあげたいものです。
✔ブルドッグ
✔フレンチブルドッグ
✔パグ、シーズー
✔ボストンテリア
✔ボクサー など
太っている犬
太っている犬は、皮下脂肪によって体内に熱がこもりやすくなります。
その上、首まわりの脂肪が呼吸機能を低下させるため、呼吸による体温調節が難しくなります。
子犬、または老犬
子犬や老犬は、体温調節が下手な傾向にあります。
まとめ
犬の体の熱を冷ますときに効果的なポイントをご紹介しました。
犬の様子がおかしいと一番に気づくことができるのは、獣医さんではなく飼い主さんです。
普段から愛犬の様子をよく観察し、体のどこがどれぐらいの温度なのか知っておくこと。
それこそが、飼い主として大切なことではないでしょうか^^
(獣医師監修:加藤桂子先生)