交通事故後、行方不明になった2本足のボクサー犬 奇跡的に発見(米)
2017年8月13日(日) Techinsight
2本足のボクサー犬、またも奇跡を生む(画像は『Panda Paws Rescue 2017年8月7日付Facebook「We know everyone is very worried about our trio of dogs.」』のスクリーンショット)
2本足のボクサー犬“Duncan Lou Who(ダンカン・ルー・フー)”をご存知だろうか。
前足だけで器用に走り回る元気いっぱいのダンカン(4歳)の姿はYouTubeやInstagramでも公開されており、SNS上ではちょっとした人気を誇っている。
そんなダンカンが、またもや有名になる出来事が起こった。『Inside Edition』や『Kiro 7』『IdahoStatesman.com』など複数メディアが伝えている。
米ワシントン州バンクーバーに、虐待・飼育放棄を受けた犬や障がいを持つ犬の救済&保護機関として活動している非営利団体「Panda Paws Rescue」がある。
この団体の運営者であり、ダンカンの飼い主でもあるギャリー・ウォルターズさんと婚約者のアマンダ・ギースさんは8月4日の夜11時頃、子供2人と3匹の犬を連れてアイダホ州のイエローストーン国立公園から宿泊先のアイランドパークに向かって車を走らせていた。
運転していたのは、仮免許証を取得したばかりのギャリーさんの息子ビースト君(15歳)だった。
暗い道の真ん中にバッファローが佇んでいたことに気付いたビースト君は、瞬時にブレーキを思いっきり踏み、ハンドルを切ってバッファローを避けようとした。
だがその弾みで車は数回横転し、車内にいた3匹の犬のうち2匹が窓から投げ飛ばされてしまった。
2匹の犬に怪我はなかったが、うち1匹がダンカンだった。
ダンカンは衝撃に驚き、怯えてそのまま現場から立ち去り行方不明になってしまったのだ。
この事故でアマンダさんは脳震盪を起こし、打ち身と痣に見舞われ肋骨を骨折してしまったが、車が破損したにもかかわらずアマンダさん以外はみな無事であったという。
しかし行方がわからなくなってしまったダンカンの安否が気がかりで、家族はすぐに同団体のサイトやFacebookアカウントでダンカンを見つけたらすぐに連絡してほしいと呼びかけた。
そんなダンカンは、後ろの2本足がX型に結合するという奇形で生まれてきた。
そのまま後ろ足を放っておくと脊髄を歪めてしまう原因になることから獣医師に切断を勧められ、ダンカンは前足2本での生活を強いられることになった。
ギャリーさんとアマンダさんは、そんなダンカンのために犬用の車椅子も用意した。
しかしダンカンは前足2本だけで歩くことや走ることを覚えたため、その車椅子は障がいを持つ他の犬に寄付したそうだ。
2本足で元気に暮らすダンカンの様子はSNSで拡散した。
今回、そのダンカンが行方不明になったニュースを知った人々は、SNSで情報をシェアし一刻も早く見つかることを願った。
捜索には30~40人のボランティアたちが参加し、警察官も現場近くの住民らと一緒になってダンカンの行方を捜した。
そのおかげで1人の男性が採石場の近くを走っているダンカンを見かけ、「Panda Paws Rescue」のサイトに掲載されていたアマンダさんの連絡先に知らせた。事故から14時間後のことだったそうだ。
事故現場から3マイル(約4.8キロ)ほど離れた場所で、茂みの下に体を丸めていたダンカンはギャリーさんとアマンダさんの娘ジェイドさんが名前を呼ぶと、顔を上げ走り寄ってきたという。
「脱水症状を起こしていたし肉球が傷ついていて、かなり疲れているようでしたが、たいした怪我もなく元気にしていました。ダンカンは真のサバイバーですよ」とギャリーさんは話している。
その後、「Panda Paws Rescue」のFacebookアカウントに「無事に見つかりました! これで家族が揃いました」と安堵の報告をしたギャリーさん一家には、アメリカ以外の国の人々からも「本当に良かった!」といった声が多数寄せられている。
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
動画 You Tube
https://www.youtube.com/watch?v=xaM-xXgl4Bs