【赤ちゃん死亡】飼い犬にかまれ・・・原因は?
八王子乳児死亡、咬んだゴールデンレトリバーはどうなった?
2017/03/15(水) 日刊ゲンダイ
祖父母が飼っていた犬が、生後10カ月の孫娘を咬(か)んで死なせる・・・
9日に東京都八王子市の住宅で起きた、ゴールデンレトリバー(4歳オス)による咬傷事故から16日で1週間。「悲劇」のひと言で終わらせるわけにはいかない。
環境省の動物愛護管理行政事務提要によると、2015年度の犬による咬傷事故は4373件。
飼い主や家族が咬まれて死亡したケースはゼロだが、それ以外の“他人”は2件ある。
発生件数そのものは減少傾向にあるとはいえ、08年以降、毎年4000件以上起きているのだ。
全国652万頭(15年度)の犬の飼い主にとって他人事じゃない。
人を咬んだ犬のその後の「措置」も気になる。
「全国の各自治体が動物愛護管理法に基づく条例を定めており、措置については、それぞれの条例によります」(環境省動物愛護管理室担当者)
たとえば、八王子市の条例では、今回のように犬が咬傷事故を起こした場合、発生時から24時間以内に市長に届け出ることと、48時間以内に狂犬病の有無について検診させることを、飼い主に義務づけている。
また、犬が人の命や身体、財産などを著しく侵害した、または侵害する恐れがある場合、市長は「殺処分」を含めた措置命令を出すことができるとしている。
同市保健所生活衛生課動物衛生担当者は「一般論ですが」と前置きしてこう言う。
「放し飼いの犬が家の外に逃げ出して人を襲ったなど、明らかに飼い主が注意義務を怠っていた場合は別ですが、原則として事故発生後の措置については、飼い主の意向が重視されます。もちろん飼い続けることもできる。どうしても他に犬の引き取り手が見つからないという場合は、保健所が引き取ることになります。市長の殺処分命令?14年の条例公布から一度もありません」
警視庁によると、乳児を咬んだゴールデンレトリバーは「現在(14日)は飼い主のもとに戻っている」(広報担当者)という。
「八王子の事故は室内で起きたもので、飼い主の注意義務を問うのは、あまりにも酷でしょう。今後どうするかは、飼い主の祖父母次第です」(捜査事情通)
前出の動物愛護管理行政事務提要によると、15年度の犬の引き取り数は約4万6600頭。
そのうち、「返還・譲渡」されたのは2万9600頭、「殺処分」は1万5800頭だ。
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