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映画「ひまわりと子犬の7日間」と「奇跡の母子犬」

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動物たちの未来のために(ブログ)より・・・山下由美

2013年3月18日

「奇跡の母子犬」の映画化のお話を頂いたのは、3年前。
「素晴らしい映画に!ひまわりのメッセージがずっと世に残る映画に!」
監督、プロデューサー、そんな思いで、沢山の時間をかけながら、「ひまわりと子犬の7日間」という映画が完成し、無事に公開を迎える事が出来ました。
映画に携わった皆さんの「魂」が入った映画なんです!!
「ひまわりと子犬の7日間」のモデル犬、ひまわりは、とても不思議な仔でした。
たった一匹の野犬だった犬が、ここまで人の心を動かした事、それは、平松監督がおっしゃってた「愛情の連鎖」だと感じました。
ひまわりが我が身を犠牲にしてまでも、子犬達を守ろうとした深い愛情・・・
その愛情の深さは職員さんの心を動かし、そしてひまわりと職員さんの愛が、日本中に連鎖すべく動き出したんです。
ひまわり!貴女の「愛情の連鎖」が全国に届くんだよ?
日本の動物愛護の世界が変われるかもしれないんだよ?
一緒に歩んで行こうね・・・

2011年11月〜宮崎県で「ひまわりと子犬の7日間」撮影がスタートしました。
中央保健所での撮影日、堺雅人さん、オードリー若林さんと記念撮影をするために、ひまわりが撮影現場まで来てくれました。
実は、ひまわりは重い病にかかっており、末期だったんです。
痛み止めを飲みながら、毎日毎日病気と闘っていた頃だったんです。
ひまわりの病気を知っていた松竹のスタッフ皆さん、心痛めながら、色んな想いでひまわりと接して下さっていました。
「ひまわり、来てくれてありがとう!必ず良い物を作るから、大ヒットを必ず報告するから、だから、どうか生きていて!」
この時から、みんなの心が一つになっていたのだと感じました。
宮崎での撮影も無事終わり、撮影隊皆さんが、ひまわりの無事を祈りながら東京へと戻られた1週間後・・・

2011年11月27日
職員さんは、ひまわりを車に乗せて河川敷に向かいました。
映画の舞台でも出てきた大淀川の河川敷です。
ここは、職員さんとひまわりにとって特別な場所でした。
「ひまわり、着いたよ」
いつもなら、自分からサッと車を降りるのに、この日は、車内から景色を眺めていてなかなか降りてきません。
周りの景色を、脳裏にしっかり焼き付けておきたいかのように・・・
ようやく車を降りて、いつものように職員さんの横を歩き出しました。
「ひまわり、帰ろうね」
職員さんの横を歩きながら車に戻ろうとしたとき、ひまわりはバタッと倒れ、そのまま呼吸も止まりました。
職員さんが、慌てて心肺蘇生をしたとき、ひまわりは大きく息をしましたが・・・
職員さんは、心肺蘇生の手を止めました。
「・・・このまま逝かせてあげよう。もう痛みから解放させてあげなければ・・・」
ひまわりは、大好きな職員さんに抱かれながら、苦しまずに虹の橋を渡っていきました。

2011年11月27日 ひまわり永眠
ひまわりが亡くなった大淀川の河川敷は、ひまわりと職員さんにとって、特別な場所でした。
2008年3月11日、ひまわりが、管理所から卒業したこの日、ひまわりと職員さんが歩いた最初の場所だったんです。
2011年11月27日の朝、2人は気付いていたんだと思います。
この日が、お別れの日になるだろうという事を・・・
最期の場所に選んだのが、最初に二人で歩いた思い出の場所だったんですね。
まるで宮崎での撮影を無事に見届けるまではと、最後の力を振り絞って、頑張って生きててくれたようなそんな気がしてなりません。
東京のスタジオで撮影をしていた堺雅人さんやキャストの皆さんは、ひまわりが今しがた息を引き取ったと報告を受け、撮影の手を止め、全員で黙祷したそうです。
撮影隊の皆さん、俳優さんの皆さんの気持ちが、更に強くひとつになりました。
「貴女のメッセージを、必ず作品の中で伝えていきます」
そうひまわりと約束を交わしたそうです。
映画に携わった皆さんが、「魂」を込めて作り上げたのは、そういう強い思いがあったからです。
映画をご覧になって下さった方なら、ご理解頂けるかと思いますが、だから・・・あのような素晴らしい作品になっているんです。
これまでは、ひまわりが亡くなった事を隠してきました。
映画に悪影響が出る事を懸念してではありません。
私も含め、映画に携わった皆さんが、ひまわりから大きな使命を託されたと・・・
ひまわりからのメッセージを大切に伝えていきたいと・・・
ひまわりの「死」を受け流されなくない・・・
そう考えた結果、プロデューサーと私の意思が相互し、「今」伝えるタイミングだったんです。ひまわりは大きな使命を持って、この世に生を受けた仔だと思います。
映画の試写会での舞台挨拶にて、職員さんが壇上で最後にこう言いました。
「ひまわり、良かったね・・・ひまわり、ありがとう」
ひまわりの死を知っていた皆が、その言葉に涙しました。
私も壇上に居ながら、堪えきれなくなり後ろを向いて涙しました。
私にとって、職員さんにとって、映画に携わった皆さんにとって、「ひまわりと子犬の7日間」は、ひまわりから渡された犬猫達の未来へのバトンなんです。
私達みんな、同じ気持ちでそのバトンに手を伸ばし、迷うことなく、力強く、バトンを受け取りました。
ひまわりの思い、ひまわりの願い、絶対無駄にはしない・・・
映画に携わった全員・・・強く誓いました。
「ひまわりと子犬の7日間」は、ひまわりの遺作ではありません。
ひまわりが未来を変えるスタートの映画なんです。
ひまわり・・・ありがとう・・・








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