不況のベネズエラで捨て犬激増、ペットフードは「高級品」
2016年10月4日(火) CNN
やせ細った犬たちが餌を求めてごみの中からわずかな食べ残しをあさる。
汚れてあばら骨や骨盤が浮き出たみすぼらしい姿。そんな捨て犬の群れが、南米ベネズエラの首都カラカスをはじめ、全土で増え続けている。
不況が続いて経済が制御不能に陥ったベネズエラでは、自分たちの生計さえ苦しくなって、ペットを手放す人が後を絶たない。
ドッグフードは最も安いものでさえ、1袋の値段が最低賃金の3分の1にもなる。
極端なインフラの影響でペットフードはぜいたく品になり、購入できる人は減る一方だ。
保護団体によると、この1年で捨てられたペットは50%増え、その多くは野良犬になった。
施設に保護された犬の多くは飢えてやせ細り、「容器をどれだけ餌で満たしてもまだ足りない」と職員は話す。
国民は食料や医薬品の極端な品薄に見舞われ、犯罪は激増、マドゥロ大統領の辞任を求める大規模デモが続く。
食品を買うために長時間行列に並んでも、何も手に入らないこともある。
国内産のドッグフードやキャットフードは店頭から姿を消し、外国産のフードは極端に値段が高い。
1.5キロ入りのドッグフード1袋の値段は約1万5000~2万ボリバル(約15万~20万円)と、ベネズエラの月額最低賃金にほぼ等しい。
飼い主はやむなく、ペットを置き去りにしたり、ペットショップや動物病院の前に捨てて行くようになった。
首都カラカスにあるペットショップの店員は、「一部は保護施設が引き取って里親を探してくれているけれど、捨て犬や捨て猫があまりに多すぎる」と肩を落とした。
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不況のベネズエラで捨て犬激増
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