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「SEKAI NO OWARI」の犬猫殺処分ゼロプロジェクト

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犬猫殺処分ゼロ 新曲に込めた思い(SEKAI NO OWARI)

2016年9月25日(日) 毎日新聞



動物殺処分ゼロ支援プロジェクト「ブレーメン」について語る人気バンド「SEKAI NO OWARI」。
(右から)Fukaseさん、DJ LOVEさん、Nakajinさん、Saoriさん=東京都渋谷区で2016年9月19日、内藤絵美撮影

◇支援プロジェクト「ブレーメン」発足
日本では飼い主らの身勝手な理由で約10万匹(2014年度)の犬と猫が殺処分されている。
この現状に関心を寄せた人気の4人組バンド「SEKAI NO OWARI」が今年7月、殺処分ゼロに向けた活動を支援するプロジェクト「ブレーメン」を発足させた。
彼らを駆り立てたものは何だったのか。
動物愛護週間(20~26日)に合わせ、話を聞いた。
【聞き手・池乗有衣】

--国内の殺処分の現状を知ったきっかけは何ですか?
Saoriさん
アフリカでは子供たちが飢餓で、シリアでは内戦でたくさんの人たちが亡くなっているのを知っているように、日本では飼えなくなった犬や猫が殺処分されているのは、知ってはいました。その中で、最初にFukaseが殺処分をゼロにする手伝いをしたいと言ってくれました。
Fukaseさん
友達がフェイスブックで殺処分ゼロを目指し活動する団体をシェアしていたのを見たのがきっかけです。最近、そういう動きを目にする機会が増えていたので、僕らにもできることがあるのか詳しく知りたいと、考え始めました。

--不幸な命を救う活動はハードルが高く捉えられがちですが、その一歩を踏み出せた理由は?
Fukaseさん
僕一人だったら「どうしよう」と思っているだけかもしれません。僕ら4人は一緒に住んでいて、「みんなでやろう」と話し合え、勇気を出せました。
Nakajinさん
殺処分ゼロの目標達成は、時間のかかることかもしれません。長く支援していくためには、たくさんの人の協力が必要です。僕らが殺処分の現状を発信することで、たくさんの人の目に触れる機会が増え、その手伝いができるのではないかと思いました。不安もいっぱいありますが、決意は固めたので自分たちのやれることをやりたいです。

--犬や猫が好きなのですね。
Saoriさん
好きだから助けるわけではありません。犬や猫をかわいいからと飼って、思ったよりかんだり、あっちこっちでおしっこをしたりするから飼えないと投げ出して、(動物愛護センターなどに連れて行って)殺してしまう。この人間が作ったシステムがいいとは思えません。このシステムを改善したいのであって、「犬や猫がかわいいから助けましょう」とは違う・・・。
DJ LOVEさん
好きや嫌いでは、それこそ犬や猫でも、この子はかわいくないから助けないみたいな感じになってしまいます。
Fukaseさん
倒れている人がいたときに、その人がかわいいから助けるのではなく、僕はおじさんでも手を差し伸べます。そこにあんまり理由はいりません。人が悲しんでいるのを見て自分も悲しくなるように、倒れている人がいれば理由なく手を差し伸べるっていうのは、みんなが持っている気持ちで、僕らが特別に持っているわけではありません。

--「ブレーメン」と名付けた理由は?
Fukaseさん
僕らのデザイナーの提案からです。年老いて殺されそうになっている動物が自分たちで生きていくグリム童話「ブレーメンの音楽隊」から取りました。覚えやすく、支援に参加しやすい名前が良かったので、「いいね」となりました。

--来月5日に発売するシングルCD収録曲「Hey Ho」の収益を、飼い主のいない動物の保護や譲渡活動の資金として援助されるそうですが、楽曲にはどんな思いを込めましたか?
Nakajinさん
Fukaseが「Hey Ho」の歌詞に書いたのですが、今は殺処分の現状にまだピンとこない人も当然います。そういう人でもこの楽曲は知っていて、何年か後にこの楽曲と殺処分ゼロに向けた活動が関連づいたとき、興味がわいてくるかもしれません。だから曲としては、老若男女誰もが聞いて、普通に音楽として長く楽しみ続けてもらえるものを心がけました。
Fukaseさん
犬や猫が殺処分されている現状を知ることイコール悲しまなければいけないことではないと思っています。悲しむことと、殺処分をなくしていこうという気持ちが必ずしもイコールではないからです。例えば、お医者さんは患者さんにあまり感情移入をしないようにしているといわれます。お医者さんがしなければいけないのは、人を助けることだから。殺処分ゼロに向けた活動は、ある程度の悲しみや嘆きが含まれるものかもしれませんが、僕らはみんなに悲しんでほしくてこの楽曲を作ったわけではないので、この楽曲をあんまり重く受け止めてほしくはないです。

--援助先に、広島県神石高原町で県内の犬の殺処分ゼロを目指し、殺処分対象となった犬を引き取り、譲渡に尽力する認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)」を選んでいますが、その理由は?
Saoriさん
「広島で犬の殺処分ゼロに」というニュースを見て、PWJを知りました。そんなことできるんだと思って、4人でPWJの保護シェルターにも行きました。(殺処分ゼロに向けた事業「ピースワンコ・ジャパン」リーダーの)大西純子さんが、これから殺処分をなくしていくためには、子供たちに犬や猫がどういう生き物で、どういうふうに接するのかを教えるのが大切だと話してくれ、すごくいいなと思いました。
Fukaseさん
Saoriちゃん、僕らは思想を持たないでフラットな立場で活動していくことにしているのに、それは思想に賛同していることになってしまうので、ちょっと違うんじゃないかな。PWJは一番見えやすい形で結果を出そうとしていたからです。日本中の殺処分をなくすには、僕らだけではどうしようもない。PWJを基盤にして、いろんな動物愛護団体さんの協力も得なければならないと思います。ただ、それぞれの団体さんには、それぞれの考えや気持ちがあって、協力し合うのはすごく難しいことでもあります。僕らがその考えや気持ちを、これは正しいこれは正しくないと判断しては、団体さんに優劣をつけてしまうことになります。僕らの活動が嫌いな団体さんが現れては、意味がなくなってしまいます。

--今後の支援の方向性は?
Fukaseさん
この前、僕がある団体から表彰されたのですが、そこに「批判するより提案を」という言葉があって、僕はそれがすごくいいなと思いました。「それはだめだ」と言うとケンカになるから、「これはどうだろう」っていうふうに言葉を換えれば、目的のために議論ができます。この殺処分の問題は熱くなりすぎてはいけないと思います。僕らの立ち位置は、冷静に進めていくためにバランスを取ることではないかな。僕らのCDの収益金だけでは殺処分はなくせません。こうしたインタビューで僕らの思いを発信していくことによって、仲間を募るというのが重要になっていくのかなと考えています。

…………………………

ブレーメンのホームページ
https://bremen-project.net/mob/index.php?site=bp&ima=2609


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