飼い犬虐待容疑で栃木県が告発 ふんや死骸放置
2013年8月7日 朝日新聞
栃木県生活衛生課は6日、劣悪な環境で犬8匹を飼育したとして、動物愛護管理法違反(愛護動物に対する虐待)の疑いで、上三川町の50代の男性を下野署に告発したと発表した。
県は改善を何度も指導したが、男性は応じなかったという。
同法違反で行政機関が個人の飼い主を告発するのは県内で初めてという。
県によると、男性は自宅の庭に造ったオリ(縦、横1・3メートル、高さ1・4メートル)で犬を飼育。
オリの中は板で上下に区切られ、下部には犬のふんが約1トン、約60センチの高さまでたまっていた。
犬は上部の高さ80センチほどのスペースに押し込められていた。
11匹いたが、6月に入り3匹が死亡。
そのまま放置された死骸を残りの犬が食べていたという。
県は、こうした状況が虐待にあたると判断した。
県は、6月26日に残された8匹と、別のオリで飼われていた2匹の計10匹を保護。
男性に大量のふんを処理するよう指示書を渡したが、今月1日の期限までに改善されなかったため告発に踏み切った。
2010年7月に「悪臭がする」などと匿名の通報が県動物愛護指導センターに寄せられ、事態が分かった。
男性は県の調査に対し、「体調が悪く、仕事も長時間勤務のため世話ができない」などと説明している。
犬は04年ごろに2匹を飼い始めて以来、数が増えていったとみられるという。