標高3千メートルの山頂に黒猫!
「何で?」「もうすぐ冬だし心配・・・」 でもエサやりは厳禁
2015年 10月23日(金) withnews
赤岳山頂付近に生息している黒猫=赤岳頂上山荘支配人・松本慎太郎さん撮影
長野と山梨両県にまたがる八ヶ岳連峰の主峰・赤岳(標高2889メートル)の山頂付近に黒猫がいるとツイッターなどで話題になっています。
登山者の人気者となりつつありますが、頂上付近の山荘の関係者らは「絶対にエサをやらないでください」と呼びかけています。
夏からたびたび目撃
黒猫は今年8月に入って目撃されるようになりました。
「赤岳天望荘」など八ヶ岳で山荘を営む藤森周二さんによると、これまでにも「白いペルシャ猫」など5~6年に一度ほどのケースで猫が見つかっていました。
いずれも食べるものがなくなる冬の季節に姿が見えなくなったそうです。
今回の猫も麓からエサを求めて登ってきたのか、誰かが放したのか、詳しい事情は分かっていません。
エサはあげないで!
ツイッターでは「何でこんなところに黒猫が?」など話題沸騰。
「登山者によるえさやりでしのいでいる」などの書き込みもあります。
ただ、赤岳を含む八ヶ岳連峰の山々は国定公園に指定されています。
たくさんの希少な動植物が生息していて、生態系を壊すような行為は厳禁。
地元の保健所の担当者は「ここは本来、猫がいてはいけない場所。エサを与えることはだめです。また、どんな物を食べているかも分からないので、安易に触ることも避けてほしい」と話しています。
黒猫はここ最近、やせてきているそうです。
藤森さんは「エサを与えたくなる気持ちはわかるが、やめてほしい。速やかに保護したいと考えています」と話しています。
ただ、野生化も進んでいるとみられ、無事に保護できるかはかなり難しい状況です。
赤岳山頂の黒猫、冬が近づき保護 飼い主探しへ
2015/10/27 10:18 信濃毎日新聞
八ケ岳連峰の最高峰、赤岳(2899メートル)山頂付近にすみ着いていた黒猫が山小屋関係者によって保護され、26日に諏訪市の県諏訪保健福祉事務所に運び込まれた。
健康状態に問題はなく、毛並みも良いという。
同事務所は今後、飼い主を探すとしている。
山頂脇の山小屋「赤岳頂上山荘」によると、黒猫は8月中旬ごろから姿を見せ、登山者から食べ物をもらうなどしていた。
山では本格的な冬が近づき、山小屋の営業も11月初めで終了するため、諏訪保健福祉事務所が22日、同山荘と近くの山小屋「赤岳天望荘」に保護を依頼。
頂上山荘内の一室に閉じ込めて26日朝に捕まえ、同事務所が提供したケージに入れた。
頂上山荘と天望荘のスタッフがケージを背負って下山した。
同事務所によると、黒猫は比較的若い雄で雑種とみられる。
飼い猫だった可能性もあり、特徴をホームページに掲載したり、周辺市町村に情報提供したりして飼い主を探す予定だ。
一定期間が過ぎても飼い主が現れない場合は引き取り手を探すという。
黒猫は登山者の間やインターネット上で話題となり、山小屋などに「助けてあげて」といった電話が相次いでいたという。
天望荘を経営する藤森周二さん(51)=諏訪市=は「無事に保護できてほっとした。早く飼い主が見つかってほしい」と話している。
写真説明:赤岳山頂付近で保護され、県諏訪保健福祉事務所に運び込まれた黒猫