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ありがとう。バディ

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ありがとう。 バディ 学校犬、その一生の物語
「限りのあるいのち」――そのぬくもりを犬が教えてくれた。犬と子どもたちの感涙ストーリー。

「いのち」のぬくもり、さわやかな感動。教室に犬がいる。校庭を犬が駆けまわる。
2015年1月26日、静かに眠るように息を引き取った学校犬バディ。
立教女学院小学校(東京・杉並区)の初代学校犬として選ばれた、一頭のエアデール・テリアの生まれた瞬間から、最期のときまでを綴った生涯の記録。
子どもたちとすごした奇跡の12年――。

学校犬バディは、日本でただ一校の「犬がいる小学校」の初代学校犬として、2003年から立教女学院小学校にほぼ毎日登校していました。
もこもことした毛が特徴のエアデール・テリアという大型犬。
体重も20キロを超えますが、愛くるしい表情はまるでぬいぐるみのよう。
著者とともに登校したバディは、学校で子どもたちの登校を迎え、毎週1回各クラスで行われる聖書の授業では教室にも出かける存在でした。
また、運動会をはじめ、夏のキャンプなどの学校行事にも必ず同行。
東北の子どもたちを励ます活動や、福祉施設への訪問にも参加していました。
それほどに子どもたちのなかに溶け込んでいた「仲間」でした。
学校でのお世話の中心は、6年生の「バディ・ウォーカー」という子どもたち。
食事から、お散歩、しつけ、訓練、毛の手入れまでも子どもたちが行ってきました。
バディは2回の出産をし、その子育ても学校で子どもたちに見せてきました。
本書は、子どもたちに愛されたバディが学校犬としてすごした11年と10か月の日々を追った、「いのち」の物語です。


著者:吉田太郎
本文272ページ
カラー写真165点収載
文部科学省「学年別漢字配当表」対応
小学校第四学年までの学習漢字以外の漢字にはふりがながついています。
出版社:セブン&アイ出版
2015年7月16日発売
本体 1,400円(税別)

■著者プロフィール
吉田太郎(よしだ・たろう)
立教女学院小学校教諭(教頭、宗教主任)。
1973年、京都府長岡京市に生まれる。
同志社大学神学部卒業、同大学院歴史神学専攻修士課程修了。
1999年、立教女学院小学校教諭(宗教主任)。
2003年より、エアデール・テリアのバディとともに、子どもたちの教育に犬を介在させるプログラム「動物介在教育(Animal Assisted Education)」をスタートさせる。
2013年4月、立教女学院小学校教頭。
2015年1月26日、初代学校犬のバディが天寿をまっとう。
全校児童とともに、立教女学院聖マリア礼拝堂で記念礼拝を行う。
同年3月29日、バディの産んだ二代目の学校犬・リンクが亡くなり、現在の学校犬は、福島から引き取ったウィル、ブレスの2頭。
家族は妻と二女。
家庭でこれまでに飼った犬は、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、ウエルッシュ・コーギー、スコッチ・テリアなど。
著書に、『子どもたちの仲間 学校犬「バディ」』(2009年、高文研)がある。
ブログ『動物介在教育の試み 立教女学院小学校で活動する学校犬バディのフォトブログ』
http://blog.livedoor.jp/schooldog/


「ある児童の、何気ないひと言がきっかけでした」
こう話すのは、東京都杉並区の立教女学院小学校の教頭・吉田太郎さん(41)。
同校は吉田さんの主導で、教育現場に犬を介在させるプログラム「動物介在教育」を行っている。
「その児童は不登校でひきこもり気味でした。でも『一緒に犬の散歩をしよう』と私が誘うと、愛犬となら外出できるようになり、やがては、放課後の学校にもこられるように。そんなとき、彼女がふと『学校に犬がいたらいいのに・・・』って。その子が犬を介して少しずつ元気になるのを目の当たりにした私は、犬が学校にいることで、子供たちは大切な何かを得られるに違いないと、確信しました」
その翌年の’03年、初代学校犬・バディが学校に。
効果は想像以上だった。
「以前なら登校を渋り、休みがちになる児童が毎年1~2人はいた。それが、バディが学校に来てからの12年間はゼロです。教室に入る勇気が出ない子にも『バディに会いにおいで』と言うと、なんとなく学校に足が向くようになったり。友達関係で疲れたときも、バディの体をなで気持ちを打ち明け、癒やされた児童がたくさんいたんです」
バディが学校に来た3年後、吉田さんはバディのお見合いを敢行。
出産、子育てを見た子供たちは、より身近に命のぬくもりや大切さを実感できると考えたのだ。
’06年春、バディは無事出産。
1か月後には11頭の子犬たちが母犬とともに学校に。
その愛らしい姿に児童たちは目を輝かせ、われ先にと世話を焼きたがった。
吉田さんは子犬の世話係をした6年生のことを、いまもよくおぼえている。
「少しオシャマなお姉さんキャラの子でした。そんな子が、子犬のウンチやオシッコで手を汚しながらがんばって。その体験を作文に書いて、文章の最後に『お母さんって大変だね!』と」
その作文を、誰よりもうれしく読んだのは、児童の母親だった。
「きっと思春期の娘さんから、日ごろ感謝の言葉を聞く機会もなかったことでしょう。娘さんの卒業式。そのお母さんは保護者代表のスピーチで『バディは子供たちに大切なことを教えてくれました』とわざわざ言及してくれたんです。その言葉を聞いて、私もうれしかった。同時に、教師の私自身も、バディからたくさんのことを教わった、そう思えました」
今年1月、たくさんの子どもたちに愛された学校犬・バディは天寿をまっとうした。
吉田さんは先月『ありがとう。バディ』(セブン&アイ出版)を上梓。
現在は、震災後の福島で保護された被災犬「ウィル」と「ブレス」の2頭が、子供たちの笑顔を支えている。










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