犬猫殺処分ゼロを環境大臣に申入れ~福島みずほ議員
福島みずほ議員からです。
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福島みずほのどきどき日記
2015年8月27日(木)
8月27日(木)犬猫殺処分ゼロ政策を環境大臣に申入れました。
私が事務局長をつとめている「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」が、望月環境大臣に対して要請書を提出しました。
現在、76人の国会議員が参加している議員連盟ですが、尾辻会長をはじめ10人の議員が参加しました。
議員連盟は7月に総会を開催、市民団体の皆さんから行政に対する要請、要望事項をお聞きしました。それをまとめたものが、今回の要請書です。
予算に反映してもらいたいもの、運用面で対応してもらいたいものなどに整理して提出をいたしました。
環境大臣からは、自治体や国がそれぞれ連携を取りながら改善を図っていくべきで、どこか一つに押しつけるようなものではない、愛護センターについても予算の増額を要望されており環境省としてもそれなりの予算要求をしているがどうなるかは不明、オリンピック開催までに外国の方々に、日本の犬猫殺処分ゼロを誇れるように努力していきたいし、迷子札についても嫌がる猫たちもいるので、マイクロチップ導入も検討しいきたい、とにかく総合的な取り組みをこれからも積み重ねていく、との回答があり、私たちの提出した要請事項を事前に検討してもらっておりました。
これからも議員連盟としては、オークションの視察や市民団体との意見交換などを続けていきますので、ご意見、ご要望をメールでお寄せください。
http://www.mizuhoto.org/index.html
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犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟
環境省に対する要請書
〜犬猫の殺処分ゼロならびに動物愛護の実現に向けて〜
2015年8月27日
■1.予算措置を希望する事項
(1) 自治体の動物愛護センター施設の充実に向けての補助金
・動物愛護センターに引き取られた犬猫の殺処分を行うことから、譲渡会場として 活用されるよう施設の充 実、拡充がなされるよう、補助金を確保するべき。
(2) 地域猫対策に取り組む者に対する公的支援
・殺処分頭数13万頭の約8割が猫である。さらに、猫の殺処分のうち約6割が子猫で、その大半が野良猫から生まれた子猫が原因といわれている。
これを解決するためには、巨大収容施設のようなハードを整えるよりも、猫の適正飼養に係る普及啓発の適正化が必要である。
・地域猫対策をしている人の負担を軽くしていくため、助成金等のサポート体制といったソフト面の体制を整える必要がある。
地域猫対策に係る助成金(不妊去勢手術の費用に対する全部又は一部の助成)の大多数は区市町村の独自予算で措置されているが、助成の主体(個人or団体)・対象となる猫(飼い猫or野良猫)・助成額・運用方法(先着順or抽選or団体一括など)に著しく大きな差異が生じている。
地域猫対策に携わるボランティアにとっては使い勝手が悪いとの意見があり、また助成金自体も財政状況等により削減される傾向が強いため、助成金の拡充を求める。
(3)迷子の犬猫をなくしていくための取組
・迷子の犬猫で収容される個体が相当数いる。
迷子札の配布は各自治体で普及しつつあるが、財政状況等により配布を取り止めた自治体も少なくない。
狂犬病予防法で義務付けられた鑑札及び注射済票の装着率の向上に資するためにも、迷子札の普及に係る財政上の支援が必要である。
■2.今後の法改正が必要と考えられる事項
(1)8週齢規制の確実な実施
・8週齢規制に関しては、どう出生日を証明するのかという問題と、規制をするのであれば、最低限それに付随する繁殖犬と呼ばれた犬の飼育環境の条件付けも並行して行われるべきである。
劣悪な狭い檻の中で親子共々すし詰めになって、8週齢まで過ごすというのは、全く意味が無い。
・生年月日の偽装や母子犬が劣悪な飼育環境に長期間置かれるといったリスクがある中では、生年月日に係るトレーサビリティの確保や飼養施設の数値基準の設定など、8週齢規制が設けられた趣旨が適切に反映されるための施策を組み合わせ、抜け駆けを許さないための法制度を構築する必要がある。
(2)生体小売業のビジネスモデルの抜本的な転換
・ペット産業の売上げ全体に対する生体小売業の占める割合は1割程度にとどまる一方で、不適正飼養等の法令違反については生体小売業絡みが大多数を占めていることから、経済上・法令上リスクの多い生体小売業にこだわり続ける必要はなく、ペットに係るサービスの提供や関連用品の販売など生体の小売を行わないビジネスに徐々に転換すべきではないかとの意見も多い。
また、パピーミル(子犬生産工場)とも称される劣悪な繁殖施設や大量の生体を小売するペットショップに対しては厳格な規制をかけることにより、ペット業界内での業態転換を促すべきであるとの意見がある。
そのため、8週齢規制の確実な実施、飼養施設基準の数値化、飼養管理基準の数値化等を着実に実施していく必要がある。
(3)マイクロチップの義務付け
・マイクロチップの義務付けについては、改正法附則14条の規定を踏まえて、環境省では現在その義務化に向けた検討やモデル事業が行われていることは承知している。
また、解決すべき課題も多いことも理解しているが(例:8週齢規制の際のトレーサビリティを確保するためか、災害時に飼い主への返還を促進するためか、によって制度設計に差が生じること、犬の登録率が5割程度の狂犬病予防法との整合性など)、適正なマイクロチップの普及が重要である。
(4)動物虐待への対策の強化の検討
・動物虐待の事実があったとしても、虐待されている動物を引き離すことができない。
また、明らかに虐待に気付いても、獣医の虐待通報が現状では努力義務にとどまっている。
飼い主の所有権との兼ね合い、令状主義との整合性、保護に従事する者の位置付け及び担い手の不足、保護すべき判断基準の曖昧さ、保護された動物の収容施設の不足等の課題もあるが、獣医師による虐待の通報についても、義務化の導入などを検討するべきである。
■3.今後の政省令の改正が必要と考えられる事項
(1)動物の遺棄・虐待の定義の更なる明確化
・虐待の定義が明確にされていないために、明らかな虐待であっても行政は踏み込めない。
相談事例に、隣人が子犬を虐待しているようで犬の泣き叫ぶ声が毎日聞こえるため、警察への通報や行政への相談を勧めたが、行政が訪問して飼い主が自ら犬を骨折させたことを認めても、治療しているとして口頭の指導で終わらせるケースがあった。
動物虐待の定義が明確でないために、悪意かしつけかで動物を所有者から引き離せない例が数多くある。
改正法で法44条2項に定める虐待の定義が明確化されたがより詳細な虐待の基準を政省令で定めるべき。
(2)ペットオークション(競り市)の廃止等の検討
・全国に15か所ある競り市には、年間30~40万頭の動物が経由している。
この流通途中では、免疫力が十分ではない生後45日程度の多くの動物が命を落としている。
殺処分ゼロを目指すのであれば、この流通段階の死に対して「なかったもの」にすることは、到底許されるものではない。
オークション会場への動物の輸送環境が劣悪である、生年月日の偽装などトレーサビリティが確保されていない、個体の健康状態が十分にチェックされていない等の批判が多く、オークションに係る基準の強化も必要であるがオークション自体の廃止も含めて検討するべき。
■4.運用での改善が必要な事項
(1)飼い主のいない猫の捕獲の問題
・飼い主のいない猫(野良猫)の引取りに関し、委員会決議項目8後段で野良猫の引取りの原則禁止を明記したことを受け、ほとんどの自治体では野良猫の引取りを中止したものの、未だに引取りを続けている自治体が散見される。
国会の決議の趣旨を自治体に徹底させる必要があるのではないか。
(2)悪質な動物取扱業者に対する取締りの強化
・何十年も劣悪な飼育環境で営んでいても、登録取消しがされないペットショップがある。
改正法の施行後も、こうした動物取扱業者が後を絶たないが、自治体が適切な取締りを行っていない例がある。
動物愛護法は都道府県等の自治事務であり、法の運用は都道府県等に委ねられているが、例えば環境省所管の廃棄物処理法における「行政処分の指針について」(2013年3月 29日環廃産発第 1303299 号)のような全国一律の取締りのガイドラインを策定することで、着実に取締りが実施されるようにするべきではないか。
(3)動物取扱業者における「殺処分」の明確化
・動物愛護法が改正されて行政がペットショップ等の動物取扱業者から引き取らなくてよくなったため、法改正以前は、行政の殺処分の中に動物取扱業者が遺棄した犬も含まれていたが、現在はそれが含まれなくなった。
つまり、殺処分ゼロを掲げた場合、行政で殺処分される犬猫しか含まれないのが現状であり、遺棄されたものは把握されていない。
改正法22条の6で犬猫等販売業者には帳簿の備え付けが義務付けられ、年に1回、購入・販売・死亡した犬猫等の数を都道府県知事に提出しなければならなくなったため、これにより動物取扱業者における「殺処分」数が明確化されるようにするべきである。
(4)引取り拒否の趣旨の徹底
・行政の殺処分ゼロを目指すということは、県単位若しくは市単位で、「ウチはゼロを達成しました」ということを目標にすることになるが、どこかの市がゼロを達成したらその周りの市に皺寄せが行くことや、別な形で動物が被害に遭うという弊害が起きないようにしなければならない。
35条の法改正の趣旨はいったい何だったのかを徹底してもらいたい。
悪質な業者が、ビジネスに使ったブリーダーが何回もリピーターとして殺処分のため愛護センターに持ち込むことを禁止させる趣旨であり、外に遺棄させるために法改正をしたのではないことを各自治体に徹底していただきたい。
(5)猫の殺処分の法的根拠の明確化
・犬の殺処分は動物愛護法ではなく狂犬病予防法に基づいてなされているが、猫を殺処分している法的根拠は何なのか。
狂犬病予防法第6条に「犬」とはっきり書いてあるが、抑留義務と処分がある。
にもかかわらず、猫の殺処分をしている法的根拠は何なのか。
動物愛護法には何も書いていない。
猫の殺処分頭数が犬を大きく上回っている近年において、猫の殺処分頭数を減らしていくためにも、猫の法的根拠を明確に位置付けておく必要がある。
(6)改正法の運用状況に関する調査の実施
・都道府県レベルで、法律の運用について違いがある。
そのことについて、一遍調べてみたらどうか。
これまでそのような調査をしたことがあるのかどうか。
動物愛護法は都道府県等の自治事務であり、法の運用は都道府県等に委ねられているが、法令の解釈や適切な運用に対して、環境省がさらに主体的に関与すべきとの意見が多い。