殺処分ゼロへの願い:引き取られた犬や猫 新宿で写真展
2015年07月24日 毎日新聞
写真展「お家に、帰ろう〜殺処分ゼロへの願い」を開いている尾崎たまきさん
=東京都新宿区で2015年7月23日、平野美紀撮影
出版された尾崎たまきさんのフォトエッセー集「お家に、帰ろう〜殺処分ゼロへの願い」
人間の無責任さの末に殺処分される犬や猫を減らそうと、写真家、尾崎たまきさん(44)=川崎市在住=の写真展「お家に、帰ろう〜殺処分ゼロへの願い」が24日、東京都新宿区新宿1の富士フォトギャラリー新宿で始まった。
30日まで、入場無料。
尾崎さんは熊本市出身で、幼少期に複数の犬や猫を飼っていた。
小学生の時、飼い犬が近所の男性をかんでしまい、幸いけがは大事にはいたらなかったものの、「処分して」と求められた。
ある日学校から帰ると、愛犬の姿がなく、保健所で殺処分されたことを悟ったという。
それ以来、救えなかった負い目を持ち続けていたが、2009年に熊本市動物愛護センターが「殺処分ゼロ」を目指し、官民一体で先進的な取り組みに力を入れていることを知り、引き取られた犬や猫の写真を撮り始めた。
出品しているのは、熊本市動物愛護センターなどで09年から今年にかけて撮影した全紙大の計30点。
・まるで、間もなく殺処分されることを知っているかのような、不安な表情の犬たち
・職員になでられシッポをふる犬たち
・自分で食べることもままならない老犬を世話する職員
・殺処分された犬や猫の遺灰
・殺処分を免れ、引き取られた家でのびのびと走り回る犬たち・・・。
現実を知ってほしいと、悲しい場面も盛り込んだ。
その視線は、何度も殺処分に立ち会わなければいけない職員の苦悩にも注がれている。
同センターでは、ペットを安易に捨てようとする飼い主を説得したり、飼い主になりたい人向けに譲渡前講習会を開いたり、地道な努力を続け、2014年度には犬の殺処分がゼロになったという。
尾崎さん自身も、保健所から引き取ったミニチュアダックスフント「クマ」を飼っている。
「動物を飼う時は、保健所からもらい受け、一度飼い始めたら最期まで責任をもってほしい」と切に願っている。
写真展に合わせ、同じタイトルのフォトエッセー集(自由国民社、税別1600円)も出版した。
【平野美紀/デジタル報道センター】
著者/訳者 尾崎たまき
出版社名 自由国民社
販売価格 1,600円 (税込1,728円)
水中写真家 尾崎たまき オフィシャルサイト http://www.ozakitamaki.com/profile.html
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殺処分ゼロへの願い、新宿での写真展
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