ペットも高齢化“老犬ホーム”
2015年7月17日(金) RKB news 福岡・佐賀発エリアのニュース
人間の世界だけではありません。
ペットも高齢化が進んでいます。
年を取って自由に動けなくなった犬を預かり、飼い主に変わって世話をする「老犬ホーム」と呼ばれる施設が今、全国で増えつつあります。
●ペットを連れた女性
Qこの子、何歳ですか?
「18歳です」
Q人間で言ったら?
「93歳。もう、目も、このぐらいが見えないから、おしっこをするところがわからないんですよ」
●ペットを連れた女性
Q自分のペットが高齢になったら?
「認知症みたいなのもあるらしいので、そういう状況になって、いろいろ学んで、その時、その時で対応してあげられたらなとは思ってますけれども」
ペットの高齢化が進んでいます。
充実した動物への医療などが背景にあるとみられています。
●老犬介護ホームの犬
「ワンワンワン・・・」
そうした中、年を取って自由に動けなくなった犬の世話をする施設が増えています。
「老犬介護ホーム」です。
●老犬介護ホーム「さわやか」藤原雅己さん
「もう、目が見えんし、耳は聞こえんし、かわいそうよ・・・」
こちらの施設では、認知症や白内障などさまざまな病気を抱える12歳から18歳までの老犬15匹を預かっています。
20年以上前から犬にしつけをするドッグスクールとして営業していましたが、年を取った犬を預かってほしいというニーズが高まり、3年前に老犬ホームを増設しました。
その背景として、飼い主も高齢者で、入院したり、福祉施設に入所したりして、犬の世話をできなくなるケースが増えているそうです。
「やっぱり年を取ってきて、犬の方が長生きするもんだから、もう、飼い主さんの方が施設に入らないといけないというふうになって、『何とか、その施設を作ってくれんか』とあまりも言われるもんですから、それで作ったわけです」
一方、こちらは、先月、オープンしたばかりの施設です。
一時預かりのモモちゃんは16歳。
認知症や心臓の病気などで元気がありません。
●モモちゃんの体温チェック
「38.1度でーす。はい、ありがとう、ありがとう。はい、お利口さん」
●モモちゃんのシャンプー
「ワンワンワ~ン・・・」
一番大変なのは、シャンプーです。
すでに立つことができないため、特に、ドライヤーで乾かす作業に手間がかかります。
●世話をする市川洋子さん
「大変ですね」
Q普通の犬よりも時間がかかりますか?
「そうですね、倍の時間はかかると思います。2倍から3倍は」
●モモちゃんを渡される池島みか子さん
「ありがとうございました」
飼い主の池島みか子さん(42)は、今回、仕事で家を離れるため一時預かりを頼みました。
しかし、今後、モモちゃんの状態がさらに悪くなれば、長期にわたって施設に預けざるをえなくなるかもしれないと考えています。
「かけがえのない子です。宝です。(昔は)今と違って人懐こくって、『触って』っていう感じで、おなかを見せたりしてたんですけど、今はちょっと違うんですけどね。手に負えなくなる。もう私じゃ、無理だからですね。預けた方が、こっちも安心して仕事もできるし」
施設では、人間の介護にも使われる椅子やマットも利用されています。
さまざまな器具を使って、犬のリハビリテーションも行います。
1日、何回も行われるリンパマサージも、とても気持ちよさそうです。
●日本老犬介護ホームシェリー・市川洋子さん
「一般の老犬ホームと違って、介護が必要な子を主とした施設で、日常生活動作の中に、リハビリテーションを取り入れた施設ということにしてます」
再び、直方市の老犬ホームです。
自分で水を飲むことすらできない犬や、排便をうながすマッサージが必要な犬もいます。
さらに、入所を待つ犬も数匹いて、すでに予約を受け付けられない状態だそうです。
●藤原雅己さん
「今まで、自分がこの年になるまで、やっぱり犬が好きでね、犬と遊んできて、今日まで、やっぱり楽しましてもらったから、その『お返し』として、こういう老犬の先が短いのを悔いのないようにしてやろうというのが、私の気持ちだからですね」
飼い主の多くは、ペットを最期まで世話したいと考えていますが、それができない場合に頼らざるを得ない施設として、老犬ホームが、今、全国で増えつつあります。
http://rkb.jp/news/news/27739/