「たま駅長に会うため留学」ドイツ人女子大生が捧げた一枚の絵
2015年6月30日 産経ニュース
たま駅長を描いたドイツ人のマスラウさん=和歌山県紀の川市
和歌山県紀の川市の貴志駅で28日に行われた「たま」の社葬では多くの外国人観光客らが訪れ、インターネットやテレビ番組などを通じて海外にまで広がった、たま人気を改めて感じさせた。
■ドイツでTV番組見て
「たまに会うことが留学を決めた理由の一つでした」と、社葬の会場で話したのは三重大学のドイツ人留学生、アンナ・マスラウさん(23)。
4年前、ドイツで放映された猫に関するテレビ番組を見て、たまを知ったという。
社葬の前日には、2時間かけて色鉛筆でたまの絵を描いた。
思いをこめた一枚は、駅前に設けられた献花台にそっと立てかけた。
「たまには結局会えなかったけど、天国の駅でも駅長をしていると思います」と言葉を詰まらせた。
■アルジャジーラも取材
中東に本社を置く衛星テレビ局「アルジャジーラ」も社葬の様子を取材。
今月中旬から鉄道のドキュメンタリー番組制作のため来日しており、たまが死ぬ前に貴志駅も取材したという。
その後、たまの死を知り、同駅を再訪した。
取材スタッフのラムジー・ザリフェさんは「猫の死が新幹線のニュースで流れたり、テレビで大きく報道されるとは」と驚いた様子で、「香港や台湾から、数多くの観光客を呼び寄せたのは本当に偉大。これからも2代目、3代目と猫の駅長が続くのではないか」と話した。
■ネットで「訃報」知り急遽来日
貴志駅の観光は2回目という香港人観光客のグェニス・チェンさん(34)は、たまの死をインターネットで知り、日本へ向かった。
社葬当日の28日早朝に関西国際空港に着き、駅に直行したという。
「とても悲しい気持ち。昨年は家で飼っていた猫が15歳、13歳でそれぞれ死んでしまったので、たま駅長と重ねてしまう」
インドネシアから来日したドン・カマルガさん(43)は「猫のお葬式でこんなにたくさんの人が集まるとは」と驚いた様子。
米国出身で兵庫県西宮市の古村ケリーさん(31)は「日本の一番好きなところを聞かれたら、たま駅長と言う。もう一度会いたかった」とたま駅長に思いをはせた。
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たま駅長に会うため留学 ドイツ人女子大生が捧げた一枚の絵、他
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