引退後の盲導犬に活躍の場 関西協会、福祉施設を慰問
2013年5月24日(金) 京都新聞
関西盲導犬協会(京都府亀岡市)が、盲導犬に向かなかったり引退したりした犬を連れて、京都市の福祉施設を慰問するボランティア活動を続けている。
余生を過ごす盲導犬の活躍の場となり、施設の高齢者らも犬と触れあうことで心を和ませている。
盲導犬候補のうち訓練を経て認定されるのは3割で、盲導犬になれなかった犬はペットとして一般家庭に紹介されることが多い。
同協会は候補犬や引退犬を「フレンドドッグ」と名付け、アニマルセラピーに貢献するとともに盲導犬の理解につなげようと2年前から施設慰問を始めた。
少しずつ活動が知られるようになり、現在は上京区や伏見区の高齢者施設など5施設で毎月1、2回訪れる。花園大の心理カウンセリングセンターにも依頼があれば出張。
ラブラドルレトリバーとゴールデンレトリバーの計3頭が活動する。
23日は、引退した盲導犬など2頭が同協会ボランティアスタッフとともに伏見区の介護老人保健施設「ケアコミュニティ淀」を訪問した。
高齢者たちは犬の頭をなでながら表情を緩めていた。
冨田睦代さん(82)は「昔、犬を飼っていたので懐かしい。かわいいねえ」と喜んだ。
犬もおとなしく座って、しっぽを振っていた。
関西盲導犬協会の久保ますみさん(52)は「犬も人と触れあうのが好きで楽しんでいる。この取り組みを通じて盲導犬を身近に感じてもらえれば」と語っている。
元盲導犬とふれあう女性たち(京都市伏見区・ケアコミュニティ淀)
関西盲導犬協会 http://www.kansai-guidedog.jp/