【現場から、】ペットブームの陰で起きる“多頭飼育崩壊”
引き取りボランティアは「このままでは私が崩壊します…」
2023年5月4日(木)
TBS NEWS DIG Powered by JNN
シリーズ「現場から、」です。
空前のペットブームの影で起きている「多頭飼育崩壊」。
行き場を失った動物たちが溢れかえる実態を追いました。
荒れ果てたゴミ屋敷の中を駆け回る黒い生き物。
「ウサギ」です。
その数、実に20匹。
動画が撮影されたのは名古屋市港区の一軒家。
50代の男性が一人暮らしをしていましたが、ことし3月、病気で急死。
ここでは“多頭飼育崩壊”が起きていたのです。
近所の人 「ウサギ、犬、金魚、メダカ、ドジョウ」
男性が飼っていた犬は、名古屋市の動物愛護センターに引き取られました。
ここでは飼育放棄された動物を年間900頭以上、保護しています。
名古屋市動物愛護センター 新美陽子さん 「昨年度、建てたネコの収容施設で160頭が収容できる。ネコの多頭飼育がすごく増えた関係で、場所を提供しなければならない」
今は、猫の飼育放棄が急増中。
去年、160頭収容できる専用の施設を新たに作りましたが、既に半分以上集まっています。
エサや治療の費用は年間およそ1000万円。
ペットブームの陰で、飼育放棄が行政を圧迫し、殺処分せざるを得ない場合も。
名古屋市が引き取ることができるのは犬と猫だけ。
では、あの20匹いた「ウサギ」たちは、どうなったかというと…
ウサギ保護ボランティア 小谷有紀さん 「空いてる部屋を急きょ、ウサギ部屋として使っている」
個人でウサギの保護活動をしている小谷有紀さん。
見つかった20匹のうち、5匹を自宅で預かっていました。
さらに…
ウサギ保護ボランティア 小谷有紀さん 「多頭飼育崩壊のお宅の玄関にいた子たち」
港区の住宅に放置されていたコイや金魚など、およそ40匹も引き取っていた小谷さん。
SNSで引き取り手を探していますが、もう限界です。
ウサギ保護ボランティア 小谷有紀さん 「私は自分の生活もあり、仕事もあり、私が飼っているウサギもいます。ボランティアの“善意”と“犠牲”に頼っている今の状態に未来はないと思う。(Q.動物がもっと増えたら?)私が崩壊します。私が飼育崩壊します」
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