犬猫100匹超が平手打ち、ボールのように蹴られ……
動物愛護団体代表「非道な仕打ちと呆れた言い分」
2023年4月15日(土)
「『ギャー!』とか『ヒャン!』とか犬や猫の悲鳴が昼夜問わず聞こえてきて、夜中に何度も目が覚めるんです……」
神奈川県藤沢市に住むA氏は、近隣の”騒音”トラブルに頭を悩ませている。
鳴き声は、ある一軒家から聞こえてくるという。
以前その家に出入りしていた女性(B氏)が鳴き声の正体を明かす。
スタッフに躾の見本を見せようと犬を平手打ちする河合代表。他の犬たちは身を強ばらせてその様子を見ていた
「その家は一般社団法人『レスキュードアニマルネットワーク』という動物愛護団体の事務所です。動物愛護団体を謳(うた)っていながら昨年11月に河合弘代表理事(59)が動物愛護法違反(虐待)容疑で逮捕され、3月23日に起訴されています」
B氏はかつて『レスキュードアニマルネットワーク』にボランティアとして参加していたという。
「河合代表は地域密着型の取引サービス『ジモティー』などを利用して集めた約100匹の犬猫をわずか30畳の部屋で飼育していました。狭いケージの中に閉じ込められていたんです」
この団体では驚くべき「躾(しつけ)」が導入されていたとB氏は言う。
「ケージから出て大喜びする犬を『躾がなっていない』として殴打していました。河合代表の『犬が吹っ飛ぶくらい蹴飛ばして、初めて犬は人間を見直し、言うことを聞くようになる』という教えのもと、5~6名のスタッフが日常的に『言うことを聞かなかったのでボコボコにしました』などと報告し合う異様な団体でした。平手打ちしたり、サッカーボールのように蹴り飛ばしたり、”お仕置き棒”というビニルパイプで、犬が悲鳴すらあげなくなるまで強く突いていた」
1~3枚目の画像は本誌が入手した彼らの「躾」の一部である。
虐待に気付いた民間ボランティアと神奈川県動物愛護センターは、河合代表を告発した。
「彼はここ3年で2度、動物虐待で刑事告発されています。最初の刑事告発を受け、’21年9月に計107頭が警察に押収され、民間ボランティアらが保護したのですが、犬猫の所有権は河合代表にある。警察は民間ボランティアに107頭を返還するよう求めています」(地元紙記者)
公判を控えつつ現在も団体は活動中だ。
保護犬と散歩中の河合代表を直撃した。
――日頃「犬猫を叩くのは虐待ではない」と主張していると聞いた。その真意は?
「ウチは行政や普通の愛護団体で引き取ってもらえない、人を噛む犬たちを引き取っています。いわゆる”躾”ではなく訓練とか調教を行っています」
――実際に逮捕され、法的な責任を問われていることについてはどう思うのか。
「司法が動物への体罰を虐待と認めた判決は今までないじゃないですか。言葉が通じない犬にはやっぱりそれしかない。ケージに入れっぱなしにしているのも、犬はわがままだからです。自由にさせちゃダメで、狭い場所で大人しくできることが大事。最高裁まで闘います」
動物愛護問題に詳しい竹村公利弁護士が警鐘を鳴らす。
「預ける前にどんな団体なのか知る必要があります。虐待が疑われてから返還を求めても対応されないことが多い。ただ、実際の施設を見せてもらったとしてもその判別は難しい。その団体にトラブルや虐待などの前歴がないか調べてください。今回のように行政を介さず個人間で譲渡すると、トラブルに発展することが多いので慎重になるべきです」
現在、この団体にいる保護動物は約40匹。
今も悲鳴は止んでいないという――。
『FRIDAY』2023年4月21・28日号より FRIDAYデジタル