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「不幸な命を減らしたい」佐世保市動物愛護センター 

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処置前のおびえた表情… 「不幸な命を減らしたい」佐世保市動物愛護センター 

2023年3月6日(月)   


収容した猫の様子を診る獣医師の田中さん(左)=佐世保市動物愛護センター

長崎県内における猫の殺処分数が長崎市に次ぐワースト2位の佐世保市(2021年度)。
同市動物愛護センター(大潟町)は「不幸な命を少しでも減らしたい」と、ボランティア団体「長崎ねこの会」などと共同でTNR(捕獲、不妊・去勢手術をして地域に戻す活動)や譲渡会などに取り組み、できない範囲を補い合いながら殺処分減少に向けた活動の在り方を模索している。
老朽化した市犬管理所(有福町)から移転し21年10月にオープンした。
医療機器が整備された診療室や講習室に加え、来場者と動物の触れ合いを可能にする見合い室があり、譲渡につなげる環境づくりをしている。
同センターによると、市の猫殺処分数は17年度に483匹だったが21年度は219匹と半分以下に減少した。
動物愛護法の改正で行政による引き取りのハードルが少しずつ上がっていることや、野良猫に不妊手術などをする「地域猫活動」、飼い猫への不妊手術の啓発の効果など、さまざまな要因が重なっているという。
もっとも、生きるべき命が殺処分されている事実に変わりはない。
同センター獣医師の田中康裕さん(44)は、処分時の心情を「やりきれないし吐き気がする」と吐露する。
麻酔の注射などで完全に意識をなくしてから心臓が止まる注射をしているが、処置前のおびえた表情は胸に迫るものがあるという。
「誰のせいでこうなったのかと怒りが湧いてくる。ビニール袋に入れる時は申し訳ない気持ちでいっぱいになる」と語気を強める。
田中さんは人の意識を変えることや地域猫活動などで野良猫を減らすことが殺処分減少につながると指摘する。
ただ、多頭飼育崩壊や無責任な餌やりなども影響している。
活動には民間や市役所内の他部署との連携が欠かせない。
同センターは保護猫の譲渡に向けた触れ合いを平日はしており、家族での参加がしやすいようにと年8回、週末に同センターで譲渡会を実施。
長崎ねこの会は譲渡会の開催場所を見つけるのに苦心した経緯があり、メンバーは「行政主体だと来場者からの信頼感があるし、勝手に猫を持ってきて置いていかれる心配もないので安心」と話す。
インスタグラムなどで同センターにいる猫や犬の様子をはじめ情報を発信し、動物愛護の啓発に注力している。
同センター獣医師の前田亮平さん(44)は「命の捉え方はそれぞれだが、私は人間と同じように重いものとして関わっている。動物の環境は人の都合で左右されるから。面倒を見るのであれば、その責任の重さを感じてほしい」と訴える。

 

猫の譲渡会とパネル展 19日、佐世保市動物愛護センターで
 猫の日(2月22日)前に

2023年2月16日(木)  


19日のイベントをPRする職員と、譲渡会に参加予定の猫「オチャ」=佐世保市動物愛護センター

猫の日(2月22日)を前に、「ねこといっしょにあゆもう~ねこの譲渡会&パネル展~」が19日、佐世保市大潟町の同市動物愛護センターで開かれる。
同センターと、野良猫の不妊去勢手術の実施など「地域猫活動」に取り組む長崎ねこの会が、野良猫の現状や適切な向き合い方に加え、4月から施行される「県動物の愛護及び管理に関する条例」の解説などのパネル展示を行う。
保護された猫の譲渡会もあり、参加する猫の情報はイベントの数日前に同センターホームページで知らせる。
同センター職員の青木俊樹さん(33)は「無責任な餌やりが招く弊害など、野良猫の実情を知って考えるきっかけにしてもらえたら」と話した。
問い合わせは同センター(電0956.42.3300)。


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