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杉本彩さん"悪質ブリーダー"に憤慨

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【解説】
杉本彩さん"悪質ブリーダー"に憤慨「私たちが刑事告発しないと、悲劇が終わらない」
 女優・タレント活動以上の時間を《動物愛護活動》

2023年2月9日(木)  

ペットブームとともに動物虐待が絶えない中、動物愛護活動をしている杉本彩さんが理事長を務める団体が、大阪・寝屋川市で起きた事件を告発。
ペット用の犬を飼育していたブリーダーの女が動物愛護法違反容疑で逮捕された事件について「地獄のような環境で飼育されていた」と言及しました。

【解説:杉本彩さん レースクイーンから女優、ダンサーなどのマルチなタレント活動を経て、現在は動物虐待問題解消やペットとの共生社会を目指す活動を展開】

――公益財団法人「動物環境福祉協会Eva」の理事長・杉本彩さんに話を伺います。
杉本さんは女優・タレントさんのイメージが非常に強いと思いますけれど、実は2014年に会を設立されて、動物の福祉向上の啓発活動に力をいれていらっしゃいます。
芸能活動とこちらを比べてどうでしょう。
(杉本彩さん)
自分の全時間で一番取られてるのはこの活動で、感覚的に言うと8割、自分の時間をこちらに使ってるイメージです。
活動はエンドレス、やってもやっても、なかなか社会が変わらないんです。

―――今回は活動が形になりました。
Evaの告発で、ブリーダーの女が逮捕されました。

(杉本彩さん)
本当にひどい状況で、もう地獄のような環境です。
どれだけ劣悪な環境で飼育されていても、そこで生まれた子犬とか猫とかも、ピカピカなんです。
だから、ネットオークションを通したり、ペットショップに行って、ショーケースの中に展示されれば、消費者はなかなか気づきにくい。
その後、先天性疾患があるにもかかわらず、乱繁殖させられて、結局、先天性疾患があったんだってことが、後々わかって、消費者被害に繋がるっていうことは多々あります。

―――命を何だと思ってるんだということだと思うんですよね。
(杉本彩さん)
物としか思ってないように見えます。
完全にお金を生み出す、もう繁殖の道具としか思ってないと思いますね。

―――動物愛護法では、犬のケージをこういう形で作りましょう、体長の1.5~2倍の長さにしてください。
など、きちんとしたルールがあるわけなんですよね、それが守られていないということですね。


動物の「医療ネグレクト」餌も水も与えられず…熱中症で

(杉本彩さん)
橋本容疑者の告発時点では、まだこれがはっきりと制定されてなかったんですが、こういったちょっと常識では考えられない、人道に反したような業者というのがすごくたくさんあるから、前回の法改正でこういったルールが設けられるようになったんですね。
例えば、床の材質も、金網がほとんどだったんですけど、それだと犬の肉球とか猫の肉球に、ものすごく負担がかかる、だから金網の床材を使ってはいけませんよとか、そういったルールが設けられるようにはなったんです。

―――こういった劣悪な環境で飼育される犬ですが、これは「氷山の一角」なんだと。
Evaに寄せられる虐待の情報は、1ヶ月で30件。
一日1件はそういう情報が寄せられているというのが現状なんですね。
(杉本彩さん)
まず、医療ネグレクト。
獣医さんに見せなければいけないのに放置されているとか、餌も水も与えられず、温度管理もされていなくて、熱中症で死んでいるとか、劣悪な飼育に対する通報が非常に多いです。 ―――環境省によりますと、「捜査への高いハードルがあります、警察は事件性がないと動かない。劣悪な環境の証拠を集めにくい。」やっぱり証明が難しいんですか?
(杉本彩さん)
明らかに犬とか猫の死体があれば、本来だったら十分に事件性あるんですけれども。それでもなかなか警察が動いてくれないっていうのは、まず行政が虐待の状況を把握して警察に通報してくれれば、きちんと動けるはずなんですけれども、どうしてこういうことを環境省がおっしゃるのか、私には理解に苦しむところはあります。
環境省は去年の3月に「虐待ガイドライン」っていうのを作って、各自治体に「こういうチェックシートもありますから、こういうことが虐待ですよ」ときちんとガイドラインがあるんです。
だから、判断できないことが多いっていうことは、ちょっと私理解しかねます。
明らかに判断できます。

―――そう考えると、環境省の責任は重いですよ。

「我々は怒らなきゃならない、環境省は何やってるんだ」と

(ジャーナリスト 立岩陽一郎さん)
私、環境省を取材してるときに法整備をどう整えるって話になったんだけど、その時環境省は、自分たちの事務所を地方にも作るっていうバーターで、いわゆる権限強化をしたんですよ。
だから自分たちがやらなきゃいけないです。
本当は環境省が告発しなきゃいけないんですよ。
そういうことはやっぱり我々は怒らなきゃいけない。
環境省は何やってんだと。

(杉本彩さん)
環境省もそうなんですけど、指導しなければいけない自治体の動物行政は、虐待があるというのは、たいてい長年にわたって把握してるんです。
もう指導をずっと繰り返すだけで今回のこの告発案件もですね、私達は「何とかしてくださいって、もう常に行政とやり取りしてたんですけど、告発して告発状を受理されるまでもう1年かかっちゃって、だからもう私達が告発しない限りはこの悲劇は終わらない。
でもその間に、ものすごく多くの動物が犠牲になってるわけですよね。
その動物をこれ以上犠牲を出さないため、ここにいる動物を救うためには、私達が刑事告発するしか終わらないっていう状況に追い込まれて仕方なく刑事告発してるっていうのが現状なんです。

―――今後どうしたらいいの、というところですが杉本さんは、アニマルポリスが行政や警察と連携するのはどうだろうかと。
(杉本彩さん)
アメリカは州によっていろいろあり、民間のアニマルポリスに権限があるわけではないんですけれど、権限を持っている行政とか警察と連携しながら虐待を取り締まっているっていうそういった組織です。

―――今後Evaでは2027年のスタートに向けて基金の募集を開始し、事業計画について検討するんですね。
(杉本彩さん)
本当にもうたくさんの虐待相談を受けるので、私達民間は本当にやれることが限られてるし、何の権限もないから、行政とか警察と連携を深めてですね、実際こういった取り締まりのようなことができるように、活動をスタートしたいなということを2027年に目指しています。

天井近くまで積み上げられた小さなケージの中でひしめき合う犬たち

(2023年2月8日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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