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倉庫で猫38匹を劣悪な飼育

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「臭いに耐えられない」倉庫で猫38匹を劣悪な飼育
 堆積したふん尿、大量ゴキブリ…女を逮捕

2022年12月1日(木)  

那覇署は30日、沖縄県南大東村の倉庫で、猫の大量のふん尿や死骸が放置された劣悪な環境で猫を飼育したとして、動物愛護管理法違反(虐待)の疑いで住所不定、無職の50代の女を逮捕した。
調べに対し、「悪い環境だと思うが虐待ではない」と容疑を否認している。
県警生活保安課によると、同法違反での逮捕は県内初という。


動物愛護管理法違反の容疑で、容疑者が猫を飼育している倉庫を捜索する那覇署の捜査員ら=30日午後3時41分、南大東村在所(国吉聡志撮影)

【写真】おびえた24個の目、アパートに放置されていた猫 多頭飼育崩壊の実態

逮捕容疑は11月17日、同村の借家の倉庫で、猫の死骸やふん尿が堆積した不衛生な環境で38匹の猫を飼育していた疑い。
那覇署は30日、村職員や獣医師らと倉庫を家宅捜索し、数センチに堆積した猫のふん尿やゴキブリなどの大量の衛生害虫を確認。
7匹を保護し、動物センターの職員に引き渡した。
猫の死骸は発見されなかったという。
同村は9月下旬、容疑者が猫の飼育環境の管理を怠っている疑いがあるとして、「飼い猫の適正飼育と管理に関する条例」に基づいて倉庫を立ち入り調査した。
その際、内部でふん尿の堆積や衛生害虫が確認されたため、調査に同行した獣医師が動物愛護管理法に基づき、那覇署に通報した。

◆警官ら防護服姿で捜索
動物愛護管理法違反で逮捕された容疑者が猫を飼っていた南大東村在所の倉庫付近では、30日午後2時半過ぎから那覇署の捜査員や村職員らが捜索を始めた。
倉庫内部はふん尿で汚れ、大量のゴキブリも確認。防護服やゴーグルなどを着用して臨んだ村職員は「臭いに耐えられない」と漏らした。
倉庫の捜索は約3時間かかり、飼育されていた猫のうち7匹が保護された。
午後3時40分過ぎ、捜査員や職員ら7人が容疑者立ち会いの下、倉庫の中に入った。
ドアを開けると異臭が付近に漂った。
倉庫の中は電気が通っておらず真っ暗だったため、職員が投光器を搬入した。
「倉庫内の臭いはかなりきつい。耐えられない」。
交代のため出てきた村職員の1人はマスク越しに顔をしかめた。
別の職員は「衛生管理が行き届いていない。大型動物でない限り、ふん尿はそんなにたまらないはずだ」と語った。
村や那覇署によると、容疑者は2011年ごろから倉庫で猫を飼い始めたという。
村関係者は「当時から50匹ほどいたと思う」と話す。
村では13年ごろに猫が引っかいたりしてかかる「猫引っかき病」に村民が少なくとも3人感染。
一命を取り留めたものの本島に救急搬送された例もあった。
村は再発防止を掲げ、条例を制定した。
村はその後も容疑者が飼う猫を村の事業で去勢し、マイクロチップも埋め込んだりした。
条例に基づいた適正な飼育を求めたが、改善が見られなかったので立ち入り調査や警察への通報に踏み切った。
捜索現場は村内で飲食店やホテルが並ぶ在所の中心部。
心配そうに見守っていた70代女性は「最初は悪臭がすごかった。
倉庫前の道路を通っただけでノミの被害に遭った子もいた。
「猫を保護したい気持ちは分かるが、飼育環境が悪過ぎる。周りの住民のことをもっと考えてほしかった」と語った。

(南部報道部・国吉聡志)

◆「猫の命を守りたい」 容疑者、本紙の取材に
動物愛護管理法違反の容疑で逮捕された容疑者は逮捕前、本紙の取材に「飼育する室内がごみの山になっているのは自分が悪いと思う。でも殺処分をなくし、猫の命を守りたい」と答えた。
約15年前に沖縄本島から南大東村へ来た容疑者は、以前から島内の猫を飼っていたという。
2019年、同村が「飼い猫の適正飼育と管理に関する条例」を施行したことを受け、「条例で捕獲された猫は殺処分されると思った。猫の里親を探し、命をつなげるために保護した」と多頭飼育に至った経緯を説明した。
同村によると9、11月の2度、猫が飼われている倉庫を立ち入り調査した。
汚物が堆積した環境での飼育は動物虐待に当たるため、容疑者は同村から改善するよう指導を受けたという。
「ごみがたまっているのは自分の落ち度。だが足が悪いこともあり、すぐに片付けるのは難しかった」と述べた。

(社会部・東江郁香)

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野良猫に餌あげ南大東村と対立 動物虐待疑いで逮捕の女
 なぜ「多頭飼育崩壊」に陥ったか

2022年12月2日(金)  

[ニュース近景遠景]
猫のふんや死骸を放置した南大東村の倉庫で猫を飼育したとして、同村の50代女が動物愛護管理法違反(虐待)の疑いで逮捕された。
2013年ごろから倉庫で猫を飼い始めた容疑者は、外で野良猫に餌をやるなどして村役場と対立。
害虫の被害を受けた近隣住民の理解も得られず、多くの猫を抱えて管理できなくなる「多頭飼育崩壊」に陥った。
(南部報道部・国吉聡志、社会部・東江郁香)


容疑者が飼っていた猫を調べる関係者=11月30日午後、南大東村在所

「飼育管理できなかったのは明らかだ。擁護する人はぜひ現場を見に来てほしい」。
1日夕方、倉庫で猫の保護を終えた村関係者の1人は訴えた。
入り口からは異臭が漂い、大量の害虫が外の道路に出ていた。
容疑者は交流サイト(SNS)のフェイスブックで支援を募っていたが、中には寄付されたとみられる餌袋や飼育用の柵が無造作に積まれていた。
倉庫にはまだ20匹近くの猫がいるとみられる。
疲労の色をにじませたある村職員は「中は真っ暗で、ライトをつけても見渡せない。いつ終わるか、見当がつかない」とため息をついた。

村は、19年に施行した「飼い猫の適正飼育と管理に関する条例」に基づき、容疑者が飼う猫に、村の費用負担で避妊去勢手術やマイクロチップを装着。
しかし容疑者が条例で義務付けられている1匹千円の登録をなかなかしなかったため、両者の溝が深まった。
対立が決定的になったのは、容疑者がフェイスブックを始めたことし6月以降。
「島で猫条例ができて野良猫の行き場がなくなり、猫50匹を保護している。里親になって猫を助けてほしい」などと投稿した。
容疑者は逮捕前、本紙の取材に「現状を知ってもらいたかった」と話した。
村が捕獲した猫は譲渡先が見つからなければ殺処分される。
投稿以降、村には苦情の電話が増えた。
職員の1人は「言葉で言えないようなどう喝を受けた職員もいた。若手は恐怖を感じている」と語る。
容疑者は「行政も捕獲された猫を助けるため模索中。
批判の電話などは遠慮してほしい」と呼びかける一方、自身も批判の投稿を続けた。  

60代の男性住民は3年前、倉庫付近の居酒屋でノミに刺された。
足のふくらはぎ付近に残る痕を指しながら、「ノミは感染症も媒介するので病気にならないか心配だった。以前は理解を示す島民もいたが、今は皆無だろう」と語る。
動物虐待事件などに詳しい細川敦史弁護士(兵庫県弁護士会)は、「多頭飼育崩壊は社会的に孤立する人が陥りがちだ」と指摘。
「離島の村ということもあって逃げ道がなかったのかもしれない」と推測し、行政の支援の必要性を説く。
保護猫1匹を7年前に引き取った職員の1人はこう語った。
「動物飼育の第一歩は、自分のキャパや経済力を知ることだと思う。第三者に寄付を募る時点で自分の管理能力を越えている。何度も説得したが、聞いてもらえなかった」

◆倉庫に50匹近く 全て保護へ
【南大東】
南大東村内の倉庫で劣悪な環境で猫を飼育したとして、動物愛護管理法違反(虐待)の疑いで無職の50代女が逮捕された事件で、村は1日、容疑者が猫を飼育していた倉庫で猫を保護した。
同日までに28匹を捕獲したが、まだ20匹近く残っているとみられる。
合計で50匹近くになる可能性がある。
村は全て保護するとしている。
那覇署は2日に那覇地検へ送致する予定。
県動物愛護管理センターは11月30日付で、動物愛護管理法に基づいて女性に適正な飼育をするよう指導した。
県は本年度中に、多頭飼育に関する内容を盛り込んだ条例を制定する見通し。



「殺処分から猫を助けたかった」多頭飼育崩壊
 家屋には死骸、雨のようにゴキブリ…関係者「明らかに虐待」 沖縄・南大東島

2022年12月2日(金) 

沖縄県南大東村在所で劣悪な環境の家屋で猫を飼育したとして11月30日、動物愛護法違反容疑で50代の女が逮捕された事件で、村は12月1日も家屋に残された猫の保護を続け、22匹を運び出した。
今後、県動物愛護管理センターに移送し譲渡先を探す。
一方、容疑者は逮捕前、本紙の取材に対し、虐待との指摘があることを否定し「殺処分から猫を助けたい」と語っていた。


家屋に残っていた猫をゲージに入れ保護する村職員=1日、南大東村在所

防護服に身を包んだ村職員らは1日、家屋内に数万匹いるとみられているゴキブリを駆除するため、猫に害のない薬剤を屋内で散布した。
関係者によると、天井からは「雨のように」大量のゴキブリが落ちてきたという。
死後1年以上経過したとみられる、白骨化した猫の死骸も2体見つかった。
現場の惨状に関係者は「明らかに虐待だ」と語気を強めた。
家屋内には依然、20匹ほどがおり、村は今後全ての猫を保護するまで作業する。


猫が多頭飼育され、ふん尿で汚れた室内=1日、南大東村在所(村提供)

容疑者は約15年前、沖縄本島から島へ渡った。
飼い猫に加え、野良猫を家屋に連れ込むようになり、徐々に多頭飼育の状態に。
逮捕前の取材で「人間不信になりきつい時期があったが、猫に助けられた。今の私があるのは猫のおかげ。今度は私が助けなきゃと思った」と話していた。
猫への強い思いの一方、家屋の環境がふん尿の堆積などで悪化していることについては、「今年1月に左股関節を骨折し、重い物を持てなくなった」ことが原因のひとつとしていた。
県警は11月30日、動物愛護法違反容疑による逮捕は県内初と発表していたが、2014年7月に同容疑での逮捕事例があったと訂正した。
今回の逮捕は県内2度目。

(照屋大哲)


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