ロックダウン終了で用無し?
生活費高騰でペット「返却」希望が急増 英
2022年8月15日(月)
英国では、エネルギー価格高騰などで生活費が1960年代以来最も高くなっており、ペットを手放す人が増えている。
食費や医療費を払えなくなったというのが理由。
ロンドン南部の有名なバタシー犬猫保護施設では、動物の「返却」希望が昨年から30%増加しているという。
イングリッシュ・コッカー・スパニエル犬の「ハリエット」。
ロンドンの交通量の多い道路で車から無理やり降ろされ、捨てられた。
英国の動物保護団体は、ペットを手放す人が増えていると警鐘を鳴らす。
動物たちが、生活費高騰の犠牲になっている恐れがあるという。
ハリエットは、ロンドン南部にある有名なバタシー犬猫保護施設に入った。
ここには、数百匹のイヌやネコがいる。
国内各地の保護センターでは、イヌやネコの「返却」に関する問い合わせが記録的に増えている。
生活費が1960年代以来の水準に高騰しており、多くの飼い主に、ペットの食費や医療費負担が重くのしかかった。
センター長のスティーブ・クラドック氏 「この施設への『返却』要請があった動物の頭数は昨年より30%増加している。具体的データはないが、理由としては世話ができなくなった、特に医療費が払えなくなったということらしい。 一例が、『マグパイ』というネコ。今週、この施設にやってきた。 マグパイは妊娠したが、飼い主はマグパイと子ネコの世話ができないと言って、ここへ連れてきた」
ロックダウン中は、動物を飼う人が急増していた。
リセッション(景気後退)のリスクもある中、英国の家庭は、エネルギー価格の急騰に苦しんでいる。
1月には3倍に跳ね上がる見通しで、数百万人が貧困に陥る恐れがある。
イヌの保護団体「ドッグ・トラスト」では、現在692頭の犬が全国の施設で里親を必要としている。
このような事態は、2008年ころの金融危機時にも発生した。
いま、多くのふわふわした動物たちが、家庭に迎えられるのを待ち望んでいる。