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梅沢富美男、ペットの“飼育放棄”問題に一喝

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梅沢富美男、ペットの“飼育放棄”問題に一喝「飼えないなら飼うなよ!」

2022年9月3日(土)  

こんにちは、元競輪選手の高木真備です。
昨年の「ガールズケイリングランプリ」で優勝し、年間賞金女王の夢を叶えたことで今年の5月に選手を引退しました。
現在は保護犬・保護猫活動に取り組み、さまざまな現場で目の当たりにした実態を発信しています。


今回は大御所俳優でタレントの梅沢富美男さんにインタビューさせていただきました

◆保護活動をされている梅沢富美男さんにお話を伺いました
保護犬・保護猫問題は、ここ数年で世間に認知されつつあります。
最近では保護問題を取り上げるテレビ番組もあり、芸能界でもこの問題に対して発信される方が増えてきました。
なかには、実際にボランティアとして活動されているタレントさんもいるようです。
そこで今回は、SNSで保護活動についての発信をされている、大御所タレントの梅沢富美男さんにお話を伺いました。
実際に預かりボランティアとして保護犬を受け入れている梅沢さんは、昨今の犬猫保護問題についてどういったお考えをお持ちなのでしょうか。

◆ボランティアを始めたきっかけは「理不尽なことが嫌い」だから
梅沢富美男さんは現在、元保護犬で梅沢さんが里親になられたマリさんと、短期間の「預かりボランティア」として、さまざまなワンちゃんを受け入れているそうです。
まず初めに、梅沢さんが保護活動を始めるきっかけを伺いました。
「長女が保護活動をやっていましてね。話を聞いて応援することを決めまして、実際に里親になったり、保護犬の預かりボランティアをしています。いろいろと話を聞いていたんですが、僕は“理不尽”というのがどうも嫌いでね。生きているものは皆“生きる権利”があると思うんですよ。その権利をペットだからといって、身勝手な人間が放棄させることが理不尽だと思うんです。  で、娘の話を聞くと、犬を飼った人のなかには『うんちをした』とか『添い寝を一緒にしてくれない』とか『言うことを聞かない』といったことで飼育放棄をする人がいるようで……。少しは勉強してから飼い始めてほしいですよね」

◆犬猫を飼いたいなら犬猫の勉強を
あまりにも理不尽な理由で飼育放棄する人が後を絶たないという点においても、犬猫保護問題は社会的な問題となっています。
そういった理不尽なことをする人に対して、梅沢さんが伝えたいことを伺いました。
「まずは『犬猫を飼いたいなら、犬と猫の違いくらい勉強しなさい』と思います。ネコ科のライオンとかを見ればわかるように、猫は単独で生きていく動物ですよね。犬はオオカミ見ればわかるように、集団で活動する生き物。だから根本的に別の生き物なのに、飼い始めた人のエゴというか『こういうものじゃなきゃ嫌だ』って決めつけてる。おそらく飼う前に可愛くお手をしているワンちゃんを見たりすると、そういう良いイメージだけがついてしまうのが理由なんでしょう。  でもそれは徐々に教えていってそうなるものであって、最初から大人しくて可愛い訳ではありません。自分の犬猫に対する良いイメージだけで飼い始めるのは完全なるエゴなので、ちゃんと勉強してから飼い始めてほしいです」

◆教育できないのなら飼う資格がない
続けて梅沢さんに、犬猫の教育についての話を伺いました。
飼育放棄の理由はさまざまなパターンのものがあると聞いたことがありますが、飼い始めて数日で「思ってたのと違った」という、とんでもない理由もあるようです。
そういった人たちに対して梅沢さんは「飼う資格ない」と強く言い切りました。
「老犬になって引っ越しや離婚など環境に変化があって飼育放棄してしまう人も良くないですが、子犬のうちに『思ってた感じと違った』みたいな理由で飼育放棄する人が一番許せません。『三つ子の魂百までも』という芝居の言葉があるんですけどね。3歳になってようやく善し悪しが少しわかってくる。それは親がしっかりと教育するからですよね。なんでそれができないのか。『できないなら飼うなよ。飼う資格がない』と思います。かわいいという気持ちだけでは、絶対にワンちゃんを飼ってはいけないんです」

◆預かりボランティアを通じて思うこと
梅沢さんは、さまざまな保護犬の預かりボランティアにも取り組んでいます。
預かりボランティアとは、施設に保護されている犬猫を一時的に飼育管理するボランティアのこと。
預かりで来るワンちゃんのなかにも、身勝手な理由で飼育放棄された子もいるようです。
「今預かりボランティアとして7ヶ月のプードルを預かっています。名前もついてなくて、うちでは『ペロちゃん』って言ってるんですけど。でもやっぱり元気がないんですよ。幼少期に身勝手な飼い主に飼育放棄されてしまっていたからなのか、やっぱり老犬とは少し違った“おとなしさ”があるんです。毛もボサボサだったからトリミングをお願いしましたが、身体が弱いからすぐにカットできないと……。可哀想ですよね。こういう子を見ると、改めて『飼えないなら飼うなよ!』と言いたくなります」

◆お年寄りが犬を飼いたいなら老犬の保護を
実際に預かりボランティアを行なっている梅沢さんの「飼えないなら飼うな」という言葉には、非常に重みがありました。
この「飼えない」の言葉の意味としては、「教育ができずに無責任な飼育放棄」といったものだけではないと思います。
身寄りがなくて寂しくなり、ペットを飼い始めるご高齢の方もたくさんいて、ペットよりも先に自分が亡くなってしまうというケースも少なくありません。
ご高齢の方がペットを飼いたくなったとき、梅沢さんは「老犬の保護をしてほしい」と強調しました。
「僕はお年寄りの方が犬を飼うなら老犬の方が良いと思います。歳をとった犬は『自分がここでどうしたら生きていけるか』を考えることができるんです。ワンちゃんも経験が積まれることでルールを守るようになる。大人の犬は基本的に躾ができていますからね。それを僕は目の前で実感しているので、お年寄りが犬を飼いたいと言ったときに勧めるのは老犬なんです。  それと『最期まで面倒をみる』という意味でも、ご高齢の方は老犬を飼ってほしいです。犬の寿命はある程度決まっています。飼育放棄の理由も『亡くなって飼う人がいなくなった』というのが多いですが、おそらくご高齢の方が子犬が可愛くて飼ったケースもあるでしょう。その子のことを想い、最期まで面倒をみることを念頭に置いて考えてほしいです」

◆愛を持った人間でないとペットは飼えない
梅沢さんは「NPO法人 みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」のワンちゃんを預かりボランティアとして受け入れているそうです。
その団体さんから聞いた悲惨な話、そして動物に対する“愛”と人間に対する“愛”は同じだということを語ってくださいました。
「3日や4日でペットを放棄する人がいるようで、そういうことする人たちが本当に信じられない。保護活動をされている方から聞いたのは『団体に持ってくる人はまだ良い方だ』と。玄関に置いて行ったりするんですって。  そういう人は本質的に生き物が好きなんじゃないと思う。偏見かもしれないけど、そういう人は良い恋愛できないでしょう。人間に対してだって同じことです。好きな人に対して例え汚い一面が見えた時でも、相手を傷つけずに愛を持って掃除をしてあげる。そういう心を持った人がワンちゃん猫ちゃんも可愛がることができるんだと思います。  だから『動物を飼える心を持っていない人には飼わせない』という世の中にならないと、なんともならないですね。ただ、ありがたいことに保護活動をやっている人も増えているので、それによって社会全体的に動物を飼うことに対する意識が高まっていくと僕は信じています」


梅沢さんが里親となったマリさん

◆保護問題は「ペットを飼う」以前の話かもしれない
私は飼育放棄する人の気持ちが全く理解できませんでしたが、梅沢さんの「そういう人は本質的に生き物が好きじゃない」という言葉を聞き、保護問題の根幹に触れたように感じました。
では、どうしたら飼育放棄はなくなるのでしょうか。
最後にそのことについてのお話を伺いました。
「ペットを売らなければいいじゃないかという人もいると思いますが、それはなくならないですよね。犬猫のブームになったら、ペットショップの業界はどんどん繁殖させるでしょう。そこをなんとかしないと……。でもその人たちからしたら大きなお世話。向こうは商売で、需要があるから繁殖させて売っている。だから“飼う側”の意識を変えないといけません。  だから今から飼う側になろうとしている人に強く言いたいのは『もう一回考えてみて』ということ。可愛いからって『これが欲しい』ってなるもんじゃない。生き物を飼うってことは、毎日お世話しないといけない。汚くて嫌になることや、散歩が面倒になることもあるかもしれませんが、そういったことを越えられるくらいの愛を持って接してあげられるかを、最後にもう一度考えてみてほしいです」

   *  *  *  

私が今回のインタビューを通じて印象的だったのは「人の心を思いやれない人は動物の心を思いやれるわけがない」という言葉です。
今までも保護問題について、さまざまな方の話を聞いてきましたが、ペットを飼うこととかの以前に「飼う側の人間性に課題があった」ということにハッとさせられました。
飼う側となろうとしている人の意識を少しでも高めることも考え、今後も発信していきたいと思います。

取材・文/高木真備

取材・写真/セールス森田 ―[保護犬・保護猫がいなくなる世界を目指して]―

【高木真備】
元女子競輪選手。2021年の「ガールズケイリングランプリ」で優勝し、年間賞金女王の称号を手にする。2022年5月に競輪選手を引退。その後は保護犬・保護猫活動に取り組み、自身がメインとなるトークイベントやnoteなどのSNSで活動の発信を行なっている。Twitter:@g_mkb

日刊SPA!

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