中国で「食肉用に売買されるネコ148匹」が保護され大問題に
2022年9月2日(金)
8月25日、中国・山東省済南市で、食肉用として売買される予定だった猫148匹と、猫を盗む際の罠として利用するために飼われていたスズメ31羽がギャング団の施設から救助された。
30日、国際動物愛護団体の「ヒューメイン・ソサエティ・インターナショナル(HSI)」が発表した。
保護された約150匹の猫たちPhoto: South China Morning Post via YouTube
救助された猫たちは当時、7つの鶏用ケージの中にぎゅうぎゅうに押し込められていた。
警察の捜査に同行した中国の動物保護団体「ブイシャイン」のファン・ズーヤンは、「猫たちが置かれていた状況は衝撃的なものでした。多くはやせ衰え、叫び声をあげていました」とHSIに語る。
これらの猫は大半がペット、あるいは地域で住民たちが世話をしていたものと見られている。
ギャング団は生きたスズメをカゴに入れ、それに引きつけられた猫が入ってくると、すぐさま遠隔操作でカゴの中に閉じ込めるという高度な手法を用いていた。
前出のファンによれば、中国では猫を盗むのにスズメがよく用いられるという。
保護された猫たちは避難所に移された。
なかには早速、もとの飼い主が見つかった猫もいるという。
同じく保護されたスズメ31匹のうち、生き残った29匹は野生に返された。
中国には動物虐待防止法がなく、警察はギャング団のメンバーを、保護対象となっているスズメの所有と窃盗の疑いで逮捕した。
米オンラインメディア「ヴァイス」によると、現在、ほとんどの中国人は猫を食べることはないものの、広東省と広西チワン族自治区の南部にはいまだ猫の肉を食す人々が存在する。
HSIは、同国で年間400万匹の猫と1000万匹の犬が食用目的で殺されていると推測している。
食用目的での犬や猫の売買は、依然として儲かるビジネスであり続けている。
COURRiER Japon