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「子猫がいます」と書かれ粘着テープで密閉の段ボールに11匹、相次ぐ遺棄

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「子猫がいます」と書かれ粘着テープで密閉の段ボールに11匹
 相次ぐ遺棄、専門家「犯罪だ」

2022年8月24日(水)  

飼い主のいない猫の保護活動に取り組む団体の施設前に、段ボールなどに入れられた猫が捨てられる被害が、山口県内で続いている。
猫の世話ができずに、置き去りにしているケースがほとんどとみられる。
発見が遅れれば命の危険があった猫もおり、専門家は「ペットの遺棄は懲役刑もあり得るれっきとした犯罪だ」と警鐘を鳴らす。
(相良悠奨)


てしま旅館近くに捨てられた猫(7月11日、てしま旅館提供)

「めちゃくちゃじゃないか、これは」。
7月11日朝、山口市阿知須の「てしま旅館」社長の手島英樹さん(45)は、声を荒らげた。
視線の先には「子猫がいます」と書かれ、粘着テープで閉じられた複数の段ボール箱があった。
同日未明から早朝に旅館近くに捨てられたとみられ、箱の中には、子猫7匹を含む11匹が閉じ込められていた。
この日の市内の最高気温は30度を超えた。
「発見が遅れたら命が危なかった。なんてことをするんだ」。
逃げた成猫1匹を除く10匹を保護した手島さんは、怒りをあらわにする。
てしま旅館は2016年、中庭に猫の保護シェルターを設置。
飼い主のいない猫を新しい家族に譲り渡す活動に取り組んでいる。
全国から注目され、これまでに500匹以上が引き取られた。
ただ、活動が広がるにつれ、心ない人による捨て猫も増えた。
昨年は約20匹が旅館前に遺棄された。
今回の10匹を含め、ほとんどは保護して譲渡先を決めてきたものの、餌代などは手島さんが負担しており、出費はかさんでいる。
それでも、「ここに防犯カメラを増やしたとしても、別の場所に捨てられるだけだ。行政が本気で捨て猫を減らす施策に取り組まないと、根本的な解決にならない」と話す。
動物の遺棄は、動物愛護管理法違反に当たり、1年以下の懲役か、100万円以下の罰金が科される犯罪だ。
今回のケースでは、県警が段ボール箱に付着した指紋を採取するなどして同法違反の疑いで捜査を進めている。
同様の被害は、ほかの団体でも相次いでいる。
県東部のある保護猫カフェ前でも18、19年に、生後1か月ほどの子猫2匹が捨てられた。
1匹は病気で弱っていたが、治療で命を取り留めたという。
カフェを営む40歳代女性は「一生懸命に保護活動をしている人を頼られても、受け入れには限界がある。一方で、飼い続けることも、保健所で殺処分させることもできず、困って捨てた人かもしれないと考えると難しい問題だ」と複雑な胸中を明かす。
動物愛護問題に詳しい浅野明子弁護士(東京)は「無責任な遺棄は紛れもない犯罪であり、警察や自治体が厳格に取り締まる必要がある」と強調。
その上で「遺棄につながる繁殖を避けるための避妊・去勢手術の徹底と合わせて、自治体などによる啓発を強化すべきだ」と指摘している。


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