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劣悪環境で犬飼育し虐待、県が処分手順の要領策定へ

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劣悪環境で犬飼育し虐待、
ペット業者への県指導「長年にわたり不十分」・・・処分手順の要領策定へ

2021年12月8日(水) 読売新聞

長野県松本市でペット業者の男2人が劣悪な環境で犬を飼育して虐待したとされる事件で、県は7日の県議会県民文化健康福祉委員会で、県の保健所によるペット業者への対応について、繰り返し同じ指導にとどまるなど、「長年にわたって不十分な指導があった」とする検証結果の概要を明らかにした。
県は登録取り消しや業務停止など違法な飼育状況を続ける業者への処分手順を明確化した独自の要領を策定し、再発を防止する。


長野県庁

同委員会で県は長年にわたる不十分な指導のほか、〈1〉飼育管理状況の認識不足〈2〉保健所と本庁との情報共有不足〈3〉不適切業者への行政措置の手順が未整備〈4〉抜き打ちによる立ち入り検査の未実施〈5〉警察など関係機関との連携不足――などの問題があったとした。
また、松本市のペット業者の飼育状況について当時は詳細に把握しておらず、「総合的に検討していれば、法違反であったと判断できたと考えられる」とし、当時の認識は「十分ではなかった」と結論づけた。
今後は警察などとの連携を強化。飼育環境を改善しない業者には、異なる地域の保健所職員が合同で抜き打ち検査を行うなどして虐待が疑われる事例を早期に発見するとした。
県の検証チームは当時の職員への聞き取りなどを行っていた。
有識者の意見を踏まえて報告書をまとめる。
一方、要領では、周辺住民の苦情があったり、立ち入り検査で動物の衰弱や虐待が確認されたりした場合、勧告や措置命令を行うほか、業務停止や登録取り消しを検討する方針。
処分を実施する際は環境省や専門家の助言も求める。
県は来年1月3日までパブリックコメント(意見公募)を募集し、要領を策定する。
同委員会で県食品・生活衛生課の吉田徹也課長は「県内全体の問題として重く受け止めて改善を進める」と語った。
他のペット業者への緊急の立ち入り検査について、県は来年3月までに完了させる方針だ。
対象は15匹以上の犬などを飼育していたり、住民から苦情が寄せられたりした88事業所で、11月末時点で15事業所の検査を終えた。
抜き打ち検査も初めて実施し、健康管理や繁殖状況などを確認しているという。
松本市保健所も管内87事業所の立ち入り検査を始め、事件後は販売業者を優先している。
長野市動物愛護センターも管内117事業所(昨年3月末時点)のうち、登録が10匹以上の業者を優先して実施している。
大河内雅彦センター長は「頭数や飼育スペースの把握をより慎重に行う。どの地域でも起こる問題で危機感を持って対応する」としている。


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